
この作品はレバノン映画。中東の貧困をテーマにしたもので、流石アカデミー賞ノミネート作品だけのことはある。生まれた子供が両親を「自分を生んだ罪」で訴えるというストーリー。恐らくこんな世界はあるんだろうとは頭ではわかっていた。でも具現化した作品を観るにつけ息苦しくなる。貧困が貧困を招く悪循環のスパイラル。なんともやり切れない気持ちになる。確かに親も悪い。でも、その親も、決して許されるものではないかも知れないが、貧しいゆえのことだとは思う。「ボロは着てても、心は錦…♬」とう歌もあるが、ボロを着てると心も荒んでいくこともあり、綺麗事では済まされない現実もあるのだ。親から愛情を受けることなく、まるで生活の道具として使われる子供。子供の供は提供する「供」。だから「子ども」と書くと、昔祖母から聴いたことがある。私も意識して「かな表示」を使っている。
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