警察もヤクザも毒・毒を持って毒を制す「孤狼の血 LEVEL2」

孤狼の血

オススメ度:★★★★☆(4.0)
理由:休む暇なくスリリングな展開.
人間関係も前作と同様に入り組んでいて
複雑.脚本に一層の工夫がある.
飽きさせない.凄みは役所広司には
負けるかもしれないが,それでも
やはり面白い.これは必見の作品だ.
それにしても瀬島夫妻には
ハメられた.この脚本には脱帽だ.

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虚無感のある10代小梅を演ずる石川瑠華がいい「うみべの女の子」

うみべの女の子1

オススメ度:★★★☆☆(3.0)
理由:企画から5年というウエダ監督.
10代の踏み出す一歩.サブカルの世界だ.
本作は王道の青春映画では
ないかもしれない.
その中にあって,
切なさよりも,むしろ虚しさ,
気だるさが残る.
なんとも言えない気分だ.
これは劇場でみるべき作品だ.

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言語とは”音”なんだ「ドライブ・マイ・カー」

ドライブ・マイ・カー

オススメ度:★★★★☆(4.4)
理由:だいたい村上春樹原作の映画化は
これまでもハズレが多い.
今回もおそらくそうだろう…と思いつつ鑑賞.
その期待を見事に裏切られ,
こんな解釈もあるんだ!と感動モノでした.
本作の中で舞台も見られ,映画も見られ,
なにかもが,凄く徳(得)をした感覚.
これは凄い.村上春樹の世界が
可視化されている見事な作品でした.

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核兵器のない時代ではなく,戦争そのものがない時代を「祈り 幻に長崎を想う刻(とき)」

祈り

オススメ度:★★★☆☆(3.0)
理由:戯曲で有名な作品だそうです.
年に一度,8月は忘れてはいけない
終戦の月.それに相応しい.毎年
それにまつわる作品を映画館で
必ず観るようにしている.目を
背けたくなるシーンも若干あるが,
それでもそれが現実なのだから
直視する必要がある.
少なくとも年に一度ぐらいは
この「平和」について
考える時間を持ちたいものだ.
宗教臭くもあまり感じない.
人間関係が希薄な描き方ではあるも,
説教染みてなく,
作品で描かれているように,
そんな感じで人々は
暮らしていたように思える.

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松竹100周年心温まる作品「キネマの神様」

キネマの神様

オススメ度:★★★☆☆(3.2)
理由:懐かしき昭和時代を
感じる作品.悪い人は誰に1人居ない.
気持ちの問題.義理と人情の世界.
笑いあり涙あり.人の気持ちが
通じる作品は心温まる.
主演予定の逝去で,
後を引き受けるのは,
相当の重荷だったと思う.
後味スッキリ.
映画って本当に最幸です.
作ってくれて感謝!ありがとう.

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いずれ誰しもが訪れる老い,認知症をテーマにしたホラー「レリック -遺物-」

レリック1

オススメ度:★★★☆☆(3.4)
理由:メッセージ性の強いホラー作品.
老いについて,そして介護の問題について,
考えさせられる.悪霊に取り憑かれた家と
老いの恐怖.優しい祖母,殺気立った祖母.
その豹変ぶり…言動に,まさに日常の中から
非日常の恐怖を感じる.

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気づけばモブキャラ(背景キャラ)になっていないか「フリー・ガイ」

フリー・ガイ

オススメ度:★★★★☆(4.4)
理由:とにかく設定が斬新で面白い.
この夏のオススメのエンタメ作品だ.
オープンワールド系のゲームの
モブキャラが
ナイスなガイに変身する.
本来,背景を彩るしかない存在の
カスやクズ役のモブキャラが,
自身で人工知能(AI)も身につけ,
意図したプログラムで動くことなく,
自立して自身で学習していく「ガイ」.
その軽いノリのキャラ「ガイ」.
そんな姿に勇気をいただけます.
そしてちょっぴり憧れもあったりする.
いい作品でした.

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学校にやはり返ってくる見応え十分な「返校 言葉が消えた日」

返校1

オススメ度:★★★★☆(4.1)
理由:Netflixでドラマ「返校」を
観てから本作見れば,
もっと良かったかもしれません.
知れば知るほど奥深い「返校」.
「返校」とは,最後は必ず学校に
返ってくること.
でも本当の意味は,自殺した霊は
現世でしたことを後悔して,事実を
認めようとせず,自分のした行為を
何度も何度も繰り返すという.そこで
亡くなった高校生が繰り返す
ということで「反校」となったと推定.

はじめは多彩な構成で面くらうが,
後々考えるとその構成には
相当仕組まれていて,優れた構成に
なっている.

韓国映画といい,台湾映画といい,
最近は見応え十分な作品が多い.

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あの時代に90歳まで生きた「HOKUSAI」

HOKUSAI

オススメ度:★★★☆☆(3.4)
理由:長生きの秘訣は,
健康に気遣いをした
わけではないさそうだ.
恐らくは北斎の前向きさ.
傍若無人の振る舞いでは
なかったか.不自由ではなく,
たとえ不自由であっても
自由に生きることだ.
脳卒中になっても尚,
絵を描く意欲の凄さ,
生涯残した作品は3万点余り.
ライバルの存在,
写楽,歌麿.版元の重三郎.
多くの彼のご縁もあるかと思う.
大器晩成タイプ.
80歳過ぎでも制作意欲は衰えない.
平民だった北斎は謎だらけ.
少し上映時間が間延びして
いるように感じたが,
その生き様,
それを垣間見ることができる.

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久しぶりに手応えのあり過ぎる作品「ひとくず」

ひとくず

オススメ度:★★★★★(4.5)
理由:とても考えさせられる作品.
胸にはアイロンを押し当てられた傷.
手にはタバコの跡.
児童虐待をテーマにしながら,
負の連鎖からの脱却は
果たしてできるものなのか.
極悪の環境を変えるには
一体どうすればいいのか.
こうした環境の子どもたちが
今も多くいる現実に
ひとりでも気づくこと,
社会を変える,人を救うとは
おくがましいが,
微差は決して無力ではない.
多くの人に観て感じてほしい作品だ.

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