東野圭吾「人魚の眠る家」。臓器移植医療と倫理の問題を題材にした作品。わが国では97年に人の「死」とは、心停止に加えて脳死を人の「死」とした法律が施行された。2009年には本人の同意がなくとも、家族の承諾で脳死下での臓器提供が可能となった。目覚ましい技術的な飛躍を遂げている臓器移植医療。その一方で、臓器売買などの問題もある。
そうした人の意思を尊重した高い倫理性を問われる脳死をテーマとしたこの作品は、科学進歩と、その当事者の家族の心理描写、正義とは何か。色々考えさせるものになっている。 “「人魚の眠る家」観ました” の続きを読む