『波乗りオフィスへようこそ』観ました

波乗りオフィス

四国の右下、徳島を舞台にした作品です。
この作品、実際に本社が徳島にあるサイファー・テック(株)と(株)あわえのCEO吉田基晴(著)『本社は田舎に限る』(講談社)を元にしています。筆者は人材不足を地方に求めた。それで成功した物語です。傍からは会社を田舎に移すことは至難の業のように見える。主演の関口知宏といえば、ご存知、世界中を旅する俳優。それが徳島を舞台した作品で主演をやっているのも面白い。

仕事をしながら、プライベートも楽しみませんか?大自然豊かな地方で、それを満喫しませんか?IT企業を経営する徳永を演じるのは関口知宏。ソフトエンジニアの人材の確保に活路を開くため地方にそれを求めるのだった。ワークライフ・バランスである。
地元のおとうさん役の宇崎竜童がまたカッコいい。

作品の内容は、地方創生をテーマにしたサクセスストーリー仕立てになっており、コメディぽく仕上がっているものの、ちょっと出来すぎている点で、プロセス、ストーリーが単純で、分かりすぎる点が残念ではあるものの、それでも泣けてしまうのが情けない。(笑)

ローカル列車揺られながら、ため息をつきながら、地元徳島に行く徳永社長。やっぱりコメディ映画かな?と思ってしまうほど。滑稽なストーリー仕立てで冒頭から作品が進んでいく。
これからは都会から地方の時代。いかに価値を見いだせるか。幸い徳島美波町はサーフィンの最適な地。そして、限界集落の問題。漁業の衰退。林業の衰退。地元の若者が都会に流出。残る若者とよそ者との確執。そんな中、徳永社長の考えに同意する役場務めの同級生、地元のおとうさん(宇崎竜童)に助けてもらい徐々に地元に馴染んていく過程を描いていく。

せっかくIT企業なんだから、もう少し突っ込んだ仕事の内容に展開しても良かったかも知れませんね。一般化し過ぎて、創発があるような感じではなく、ボランティア活動や地元との振興を深めて溶け込んでいく点がやたら強調しすぎている点が気になった。
また、地元の若者と、よそ者とめた対立が、地元の行事によって仲良くなるあたりが、ちょっと単純なストーリーでもある。もう一捻りあっても良かったように思う。

エンドロールまで、悶々とした感覚がなく、終わって爽やかな感じと満足感。水戸黄門的な最後は良かった、良かったと安心して観ていられる、そんな映画もたまには良いかも知れません。

今の生活に心が満たされていない人にとって、映画という作品を通じて、疑似体験できる。ほっと一息入れるにはよい作品だと思います。★★☆☆☆

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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