パソコンで公式ページをチェックしました。5月24日の日経夕刊の「シネマ万華鏡」記事に掲載されていました。摩訶不思議な映画だと。そして今年3月に、この目で「嵐電」を見た!ということ。3月に京都と京都に行ったこと。もちろん嵐山に行ったことが大きい。それが脳裏に残っており、機会があれば、ぜひともこの作品を見てみたいと思っていたところでした。ようやくその機会に恵まれました。
今作品は京都市街を走る路面電車である京福電鉄嵐山線。通称「嵐電」を舞台に3つの短編ストーリが交錯しています。1つは、大きなリュックサックを背負った男性。嵐電にまつわる不思議なネタを取材する。そこは実は妻との思い出の場所でもあったようでもあった。
2つ目は修学旅行で東北弁の集団が登場。その中のカメラオタクの女学生が、地元京都のこれまた、今どき居ない8ミリビデオ撮影の嵐電オタク。その彼に憧れる話。互いにレンズを通して見える被写体に恋する、好きになってしまうというなんとも不思議な話である。
そして3つ目は、シネマ・キッチンというカフェで働いてる内気な女性が撮影所に弁当を届ける。そこで弁当を届けたことが、キッカケで新米俳優に京都弁を指導することに。そこで恋愛に発展する。
嵐電沿線を中心に3つのストーリが折重なり合って、まるでお芝居を同時に見ているような、そんな不思議な錯覚をする作品に仕上がっています。なんとも不思議な映画。モヤモヤ感が半端ありません。消化不良は間違えありません。だからこそ、この時間を無駄な時間と感じるか、至福な時と感じるかで随分感じ方が変わってくるように思います。
今年3月に嵐山で嵐電を見たから印象に深い。ただ、嵐電の風景とか車窓とか、その嵐電の魅力を語ったものではない。同時進行で進む3組の男女のラブストーリーに加えて朝のゴミ出し日常の風景。沿線と日常が混ざりあった風景。狐と狸が嵐電に乗っている。不思議なファンタジーも登場する「妖怪電車」帷子ノ辻(かたびらのつじ)という不思議な駅。
さすがに京都を舞台にしているからこそ、歴史を感じるし、神社仏閣が多い京都だけに神秘的でもある。シュールレアリズム絵的な作品だと思います。だからこそ、この作品は評価が分かれると思う。私は、この作品はよくわかりませんでした。なんともほのぼのとしたこの雰囲気ではあります。そして魑魅魍魎という言葉がピッタリとする。こうした表現が分かる人にはフックにかかる作品でもあります。時間がゆったり流れる。邦画らしい、まったりとした作品であると思う。とにかく私、もう一度みようと思った次第。(笑)
こんなことなら嵐電にあの時、乗れば良かったと後悔しております。(笑)
次回には乗るぞ。★★★☆☆
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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