「パピヨン」観ました

本作品は73年のオリジナルのリニューアル版です。今は亡き、スティーブ・マックイーン主演の米国の伝記犯罪映画「パピヨン」。そのリメイク版です。私自身は73年のオリジナル作品は観たことがないです。こんなことなら、DVDで先に観ておけば良かったかな?しかし逆にいきなり観たために、新鮮に観ることができた。そういう意味ではインパクトがあったのは間違いありません。やっぱり率直な感想は、実はというのは凄い。そして元々この作品はミリオンセラーになった、著者アンリ・シャリエール小説『パピヨン』である。ワルではあるが、人は殺していない。そういう意味で、「無実の罪」で投獄された彼自身の実体験をもとに執筆した小説である。だから面白くないはずはないのだ。

ちなみに73年のオリジナルではスティーブ・マックイーンが主人公パピヨンを、そして脇役のドガはダスティン・ホフマンが演じた。その名を聴くだけで素晴らしい作品であることは間違いあるまい。まさに金字塔映画作品なんだろう。今回の作品はパピヨン役をチャーリー・ハナム、ドガ役は「ボヘミアン・ラプソディ」で主演男優賞のラミ・マレックが演じた。

時代は1930年代。昭和一桁の時代。「巴里祭」が封切られたのが1933年だったので、恐らく当時のフランスはあのような感じだったんだと先の映画鑑賞で当時の状況について容易に想像がつく。主人公の男は胸元には蝶の刺青。だから「パピヨン(蝶)」と呼ばれていたのだ。男の家業は金庫破り。ボスに献上する金庫の中身を少しだけ横領したために、組織から身に覚えのない殺人の罪を擦り付けられたんだろう。結局彼は終身刑を言い渡される。当時は終身刑を言い渡された人間は、祖国フランスを追放されたうえ、フランス領ギアナのデビルズ島の徒刑場で無期懲役受刑囚として過ごすことなる。

そこでの生活は過酷だ。人を人として扱わないような強制労働。パピヨンは恋人に会いたいからか、娑婆の空気を味わいたいからなのか、最初から脱獄を決めていたように感じとられた。そこでパピヨンは仲間を探すのだ。そこで国債を偽造した罪で捕まった「ドガ」に目をつけ、彼を守ることと引き換えに逃亡費用を負担してもらうことにした。

はじめは契約だったが、徐々に友情が感じられる。男同士の二人の絆が本当にいい。再会そして別れ…

作品を鑑賞して、オリジナルはもっといいのかな?良くわからない。何と言ってもスティーブ・マックィーンとダスティン・ホフマンなのだ。恐らく不滅の名作なんだろう。

結局パピヨンは脱獄に成功し、後にベネズエラ市民権を取得した。エンドロールで本人の映像もある。脱獄それ自体は犯罪には違いない。でも、なぜか応援したくなってしまうのだ。当時は基本的人権が保障されていない。だからこそ応援したくなるのだ。生きざま、そしてどのように生きていくべきかを考えさせられる。次はオリジナル作品を是非観てみたいと思う。★★★★☆

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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