「火曜の私」から観た「水曜日の私」その『水曜日が消えた』

多重人格

オススメ度:★★★☆☆(3.0)
理由:一見,面白い作品ではあるが,
実際に精神障害で悩んでいる患者いるはずだ.
一見,非現実のような世界に見えるが,
実は日常.そんな時にホッとする,
受け入れない性格の自分でも受け入れることが必要だ.
そんな非日常を感じられる.
疑似体験も映画鑑賞の醍醐味だ.
ホッとするためにも是非ご覧ください.

解離性同一性障害.いわゆるDID.
DIDとは,かつての多重人格障害のこと.
自分は一人ではない,もうひとりの自分.
本作品では,曜日ごとに7人の人格が登場する.

感情や記憶を完全に切り離された人格.
一人の人間が複数の解離した人格を持つ状態だ.

自分が自分でないということ.
他人が複数人共存する世界.
記憶が裏で成長する.
あたかも別の人格が成長するのだ.

別の人格同士が話が交流ができるとしたら…
他方,何らかの理由で,
感情のバランスが崩れるとしたら….

曜日の違う人格には,
直接会うことはできない.
日記,付箋などのメモ書きを
通してのみでしか交流できない.
どの曜日の人格も同じ自分の中に存在する.

なぜ,DIDになったのか?恐らく交通事故….
事故の原因も自分が原因かもしれない.

彼は一体何?学生.社会人なのか.
全くわからない.フリーターなのか.
どうやって生活が成り立てているのか不明だ.
両親が居ない.一人住まい.
どうやって生計をやりくりしているのだろう.

多重人格であれば,それぞれの曜日の7人が
出演した方が面白い.
流石に7種類の差異を表現するのは
動画では表現しきれないかも知れません.

1人の躰に7人の人格.
平凡な毎日が,少しずつずれてくる時に
日常に障害となるのだろう.

バランスとは難しいものだ.
一人の人格ですら難しいのだ.
当然複数の人格が同棲すれば,
もっと複雑となろう.

矛盾や疑問もあろうが,
中々面白い仕上がりだったと思う.
少し現実離れしたストーリーではある.
それでもDIDに悩んでいる人も,
いるかもしれない.
無理して強制するより,
共存することも必要かもしれません.
排除するより,共存する.そんなこと考えました.

僕であって僕じゃない.
私であって同じ私ではない.
そんな毎日に嫌にならないのは
共存していうからだろう.
それが絶妙なバランスなのだろう.

平凡な1日ほど,実は貴重で幸せなのだ.
変化とは平凡の逆.非凡なのか.
それでも人は平凡を求めないのだろう.
わかる気がする.

1年間365日を7で割るから,
52,3日しか生きていないのだ.

エンドロール…,ホッとした.
治らない病気は共存する道もあるかもしれない.
そういう意味では奥が深い作品でした.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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