「判決、ふたつの希望」さすがにアカデミー賞。
涙しました。泣けるた。泣けたといっても感動というものではなく、
互いがなぜ、そこまでの怒りを表現するのか?
どうしてそういう裁判沙汰になるまで大きくなるのか?
そうしたいだけの根本、大元を知ると、泣ける。悲しい過去に泣けるのだ。
これまた映画でなければできない作品の仕上がり。
仕掛けがいっぱいある。
あり得ない設定。さすが、「第90回アカデミー外国語映画賞」だけのことはある。
仕掛けの内容は、あまり語るとネタバレになるので言えません。
レバノン人とパレスチナ難民との口論がきっかけに裁判となる。
些細なことで口論になる「謝れ」「謝らない」といった問題。
全くの赤の他人同士の衝突。
それが民族の対立、全国的な規模に発展するのだから、中東の問題は根深い。ユダヤ人国家のイスラエル。レバノンや周辺国に流れたパレスチナ難民。中東戦争や内紛。虐殺。
大切なものを失った苦しみ。
衝突するにはそれなりに理由があった。憎みあうには理由があった。
新しい過去の事実が明らかになっていく。そうした作品の仕掛けが面白い。
将来を考えれば過去の呪縛は一先ず認識し棚に上げ、「今ここ」で何ができるかを創造した方が良いことはわかっている。わかっていても、その過去が「許す」と言えない自分がいる。
あり得ない法廷の代理人の設定。観られたくなかった過去。
新しい過去の事実が明らかになっていく。作品の仕掛けが面白い。
エンターテーメントも好きだけど、人の心に刺さるこうした作品もまた好きである。
投稿者プロフィール
-
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
詳細プロフィールはこちら。
最新の投稿
- 2024年4月23日映画『陰陽師0』
- 2024年4月17日映画「オッペンハイマー」
- 2023年11月27日映画マルス信州蒸溜所を思い出した「駒田蒸留所へようこそ」
- 2023年11月27日学会令和5年 電気学会電力エネルギー部門大会テクニカルツアー奥美濃水力発電所(2023.09.06)