昨年末に亡くなった葉室麟さんの時代小説の映画化です。作品の風景、北陸や信州の風景。とても美しい山々。大スクリーンで観る映像は、本当にとても美しい。ワンカット、ワンカットが絵画になる…そんな作品でした。
随分前、1990年に黒澤明監督の「夢」を観たことを思い出した。あの鮮やかな画像。
風景から「扇野藩」って、一体何処なんだろうと…
そして調べてみると、何と!架空の藩らしい。
さて、作品内容ですが、
まずは藩を追われた主人公・瓜生新兵衛を演じるのは「大河ドラマ勘兵衛」や「永遠の0」の岡田准一。やはり、洗練されている。カッコいい。
女房の篠の願いを、本当にあそこまで全うする必要があるのか、そこが凄すぎる親兵衛は。
『散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるもの』
『たとえこの世を去ろうとも、ひとの想いは深く生き続ける。』
胸に突き刺さる言葉の重み。
相手を気遣う想い。秘めた想い…その想いをそれぞれが胸に抱いている。
でもその想いは誤解かも知れない。真実はどこにあるのか?事実と真実は違う。
事実は、本当にあった事柄、現実に存在する事柄。
一方真実は、嘘偽りのないこと、本当のこと。
事実はひとつしかない。妻が亡くなったこと。
真実は人それぞれにそれぞれにあるもの。人の数だけ複数ある。
そういう意味で事実と真実は異なるのだ。だから実と真実は一致は、ほぼしないかも知れない。客観的なもものが正しくて、主観的なものが正しくないということもなく、その逆も無いかも知れない。
実直に正直に…。そして、誠実に生きようとすればするほど、心の奥底にある葛藤が生まれる。
その想う、友の、そして妻の気持ち、妹の気持ちに泣ける。
殺陣も凄かった。。
あんなに人の息や鼓動まで聞こえそうな接近戦からくりだされる殺陣。カッコ良すぎます。思わず鳥肌が立ちました。
音楽も良かった。
投稿者プロフィール

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人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
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