「蜘蛛の巣を払う女」観ました

The Girl in the Spider's Webこの映画は、ミステリー小説「ミレニアム」シリーズの第4作を映画化したものらしい。
スウェーデンの作家スティーグ・ラーソンによるベストセラー推理小説で、
一部作:「ドラゴン・タトゥーの女」
二部作:「火と戯れる女」
三部作:「眠れる女と狂卓の騎士」
四部作:「 4 蜘蛛の巣を払う女」
である。

この映画が4部作目だったとは。知らないということは本当に恐ろしい。
知らずに観てしまった。さっそくネットビデオで前作の3部をチェックしました。思わず一作目を観てしまいました。これはハマります。また観るものがどんど増えますね。知らないこと。そしてシリーズもモノは目の毒です。
さすがに一作目は完全に、これぞミステリー。
人は極限まで、あるいは究極を見てしまうと、これまでの常識が変貌を遂げ、自分の信じる道に走るのか。

さて今回の映画は、作品4作目。
そんな過去の作品を知らなくても、十分に楽しめる内容ではある。

その主人公の女性リスベットが、情報収集がピカイチ、そしてハッカー。
今どきでそれでいて格好いい。仕事は調査員なんだろうか。
そして、背中にあるドラゴンのタトゥー。まさに昇龍です。
サスペンスかミステリーなのか。アクションもある。

この作品はサスペンスが世界を跨いでいる。一歩、間違えれば核ミサイルで破滅寸前までの危機を迎えたかも知れません。
恐ろしいプログラム「核攻撃プログラム」そのプログラムを開発した科学者は、その罪の意識からリスベットに核攻撃プログラムの破壊を依頼されたのだ。
「君しか頼めない――私が犯した“罪”を取り戻して欲しい」と。

前半は勧善懲悪でスカッとする。悪の男、最低の男を懲らしめる。
「水戸黄門」や「遠山の金さん」見ていて気持ちいい。
そんな勢いで進んでいくと思ったら、後半戦は…。

リスベットの過去の忌まわしい家族の記憶。
ジェンダーに対してここまで拘るもの訳がある。過去のおぞましい記憶。フロイトの心理学が頭を過る。過去のトラウマ。生い立ち。
バイセクシャル、そして異常なまでの映像記憶力。
残忍のように見えて、優しい面もある。

そして、題名の「蜘蛛の巣」とは、腐敗しきった組織や人を示す。
つまり、そうした蜘蛛の巣を払いのける女ということだ。

スウェーデン、北欧の冬は厳しい。
その冷え切った空気…灰色の風景が冬らしい。
凍りつくのは、自然だけだけではなく、人の心も凍りつかせる。

ただし今回の作品に限っては、恐らく映画よりも本のほうが面白いのかも知れませんね。
★★☆☆☆

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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