「七つの会議」観ました

7つの会議1ご存知池井戸潤の映画化です。予告編もかなり流れていたし、「空飛ぶタイヤ」も凄かったので、多分これも期待を裏切らない作品だということは見る前から感じてました。この作品は以前テレビでも放映されたようです。どちらかというと、各短編を重ねた長編小説なので、どちらかといえば「連ドラ」向けかも知れませんね。
この作品の出演者がなんとも豪華です。歌舞伎役者が揃い踏みというよりも、どちらかと言えば、いつもの池井戸潤ドラマの常連俳優陣が揃い踏みといった感じでしょうか。豪華な俳優たちの演技はやはり凄みもあって圧倒されました。中でもやはり野村萬斎が演ずる万年係長の八角民夫と香川照之演ずる営業部長の北川誠。とにかく絶句、凄かった。個信的には、及川光博演ずる営業第二課課長の原島万二に私は共感を得ました。「そうだよな~」「そうなるよね~」頑張ってもそこまでできない…。正に「中庸」という言葉がピッタリと合う、その性格や不器用さが妙に親近感を感ぜざるのだ。他にもオリエンタルラジオの藤森慎吾も経理屋のサラリーマンとして愉快・痛快な演技でした。サラリーマンに有りがちなちょいワルの代表のようなこの性格、腹立つけどわかる気もする。そしてもちろん、紅一点の朝倉あき演じる営業一課のOL役も健気な感じで、「あ、あ、わかる、わかる、頑張って~」と、思わず応援したくなる。どれも見逃せません。

さて作品の舞台は、ゼノックスという巨大企業の傘下にある中堅メーカの東京建電。そこで繰り広げられる不祥事。パワハラ。社内不倫。強引な営業戦略。部門間の壁、御前会議、記者会見などなど。「空飛ぶタイヤ」といい、この「7つの会議」といい、こうした不祥事を切り込んだ作品にハラハラしながらも最後には爽快な気分にしてくれる。とにかく最後まで何が起こるかわからない、そういった展開でした。
七つの会議…。最初の会議から最後の会議まで、気がつけばノンストップで一気に走り切った感じです。本当はもっとじっくり噛み締めた方が良いかも知れません。そういう人には小説がお薦めです。じっくり展開を楽しむ方にはこの作品は不向きかも知れません。そういった意味では、ひょっとしたら、「連ドラ」」かあるいは「前編」「後編」に分けた方が良かったかもわかりません。

この作品で感じたのは、こうした不祥事の記事を見る時、「正義」のためには、自ら手を染めないという生き方と、自らの感情を抑えて忠臣蔵のような「忠誠心」で会社あるいは上司に尽くすという生き方の2つが錯誤するんだと思う。自分の良心に従うことは一見簡単のように見えて、実は、本当は難しいのかも知れない。★★☆☆☆
7つの会議2
7つの会議3