「君は月夜に光り輝く」観ました

君は月夜に光り輝く

この作品は佐野徹夜のベストセラー小説「君は月夜に光り輝く」の映画化です。「発光病」というヒトの染色体の異常により皮膚がホタルのように光輝き、そして死に至るという。ただ、この病、実際には存在しない架空の不治の病なのだ。その架空の難病「発光病」に侵された女子高生と男子高生との物語なのである。明らかに「君の膵臓をたべたい」(キミスイ)を意識した作品だと思った。そして、キミスイと重なった。それもそのはずで、主演が「半分、青い。」の永野芽郁がヒロイン、そしてその主役の彼は「キミスイ」の北村匠海なのだ・それでだけに、どうしても重ねて観てしまう。その上監督がこれまた「キミスイ」と同じ月川翔だけに、仕方ないのかな。

よくありがちなストーリー。「不治の病」で余命幾ばくもない女子高生が恋に落ちるという設定。また、その周辺の友人関係や夫婦関係も現実にはありそうもないであろう設定で、ちょっと大丈夫か?この映画…と感じた次第。である。前半はそんなことを思い巡らせながら観ていた。(笑)

さらに、同じ病で兄を亡くしたという友人の存在と、その兄の恋人が自分の姉で、その姉が自殺?なのか、交通事故死なのか?これまたとんでもない偶然設定。

加えて、好きな入院中の患者である彼女を面会時間外に屋上に連れ回すということ、そして注意を受けてもさらにそれを二回も繰り返すという…なんていうのか、現実からは、かなり離れた内容だけに、ちょっと「何じゃこりゃ」といった感じも歪めません。

また、彼女が不治の病でこの世に未練のある「やり残したこと」それを男子学生が代わりに実行するとういう、いわゆる「代行」をするといった設定自体が「ありえんでしょ」。と思ってしまう。1つや2つならともかく、全てをやり尽くすというのは、イカンとも受け入れ難い。

やはり「キミスイ」ほどのインパクトは。少なくとも私は感じなかった。予想外の展開ではなく、予定通り展開。想定通り彼女が亡くなっていくのは、もう少し設定にひと捻り欲しかったと感じました。

それでも、この作品、引き寄せられます。少し拍子抜けの部分も確かにあるものの、それでも、やられちゃいました。涙しました。

展開はわかってはいるけど、それでも、それでも、人はこうしたポジティブな生き方に共感を生むのだと、そして、限られた命を懸命に使い切るという生き方。使い尽くす。生きたいという執念、そうしたものが、そうした展開こそが、人の感情が揺さぶられるのだ。好きな人の想いを達成したい。それは結ばれないものとしても後悔しないようにしていくということに。

内容は単純だけど、自分は果たして、それができているのか?「知っている」だけで、本気で生きることに向き合って、妥協していないか。やりたいとを「きっちり」やっているか。実は知っていて、実はやってないことがいっぱいある。そうしたことに気付かされた。

キミスイではなく、肝に命じたいところだ。★★★☆☆