「ROMA/ローマ」観ました

ROMA

近くのおばちゃんが、「この列なに?」「ROMA/ローマ」ってローマの休日?」
確かにおばちゃんが言うように紛らわしいタイトルですね、でも、この作品は知る人ぞ知る、アカデミー賞10部門にノミネートされ、外国語映画賞・監督賞・撮影賞の3部門を受賞したんですよ。ローマはローマでもメキシコシティ郊外のコロニア・ローマという街の名前なんですよね。

モノクロ映像で、時代は半世紀前の1970年代。この作品は、メガホンをとったアルフォンソ・キュアロン監督自身の半自伝的な物語らしい。住み込みの家政婦と雇い主の中流家庭との日常生活が描かれています。この家族愛は半端ない。雇い主とか使用者という関係も、階級も人種も超えてますね。

医師で外に愛人が居そうなアントニオ、妻のソフィアは教職に就いているようだ。子どもは4人。アントニオはマスオさんで、ソフィアの母のテレサが同居している。主人公の家政婦クレアは、子どもたちに人気があり彼女を全員慕っている。そして同僚家政婦であるアデラと、ここに住み込みで暮らしている。

彼女も女性。クレオは休暇で知り合ったフェルミンと交わって妊娠する。しかし、その彼が全くくだらん男で、責任をとりたくないのか姿をくらましてしまう。そして彼女は臨月を迎える。折しも70年代のメキシコシティは学生運動はじめ暴動が耐えなかったようだ。そこで武器を手にしたフェルミンと偶然遭遇あうる。彼女はショックで破水して、その後…。という展開。
子どもたちに別居を切り出したソフィアとともに、海辺に旅行にでかける。高波に呑み込まれ、さらわれそうになる子どもたちを泳げないクレアが必至に助けるシーン。そして抱き合う、これがポスターになっていたのだ。この家政婦のクレア、そして家族、愛を感じる。圧巻である。

あの時代、70年代は、監督にとっては、セピア色であるが、それでいて脳裏には鮮やかに映像が見えていたんだろう。

破水から、海岸での救助、クレアの罪悪感の告白、そして、再び駐車場を掃除している水たまりに映し出される空。その水面に飛行機が右から左へ一直線で翔んでいくシーン。冒頭のシーンとエンドロールのシーンが一致して見事としか言いようがない。70年代、いよいよ、車の時代から飛行機の時代を予感させるあたりがまさに映画の醍醐味かと。

冒頭からモノクロなのに、こんなにも表現が豊かにカットできるのか。美しい画像の連続。

派手なアクションも無ければ、なんの変哲もない何気ない会話、エンドロールを最後まで観て、一瞬、一瞬の画像が、ふとした瞬間に脳裏に画像が見えたりするそんな印象深い映画でした。最後の30分ぐらいは息が詰まりそうになった。★★★★☆