
Amazonの倉庫もこんな感じなんだろうな。頑張るお父さんは、労組からも同僚からも厚い信頼を得ている。それなのに…。突然妻が蒸発。突然降って湧いてきたような子どものお世話。母親や妹、浮気。同情する気持ちにもなる。仕事も懸命に頑張っている。そして父親としても子ども愛している。そして男としての「性」人間味あふれる作品だと思う。
働く仲間を助ける姿、子育てに健気に頑張る姿。なんとか良い方向に、奥さんも帰ってきて欲しいなぁ…そんな気持ちで観てました。一見単純な仕事のように見えるが、それをそうは感じていない頑張っている姿が印象的である。
さすがにフランス映画らしい。水戸黄門的な勧善懲悪でスッキリすることもなく、モヤモヤしながら、それでいて希望の光が見えるような、そんな作品でした。
人生は計算どおりに進まないからこそ、面白いとも思うが、ここまで来ると、そんなにポジティブにはなれそうにない。自分は頑張っているのに、そうもがいているのに、全然状況は改善されない。それでも止めるわけにはいかない。家族愛。兄弟愛。恋愛。現実は複雑なんだ。
2人の子どもたちがお父さんも好き、お母さんも好き、そして弟は兄を想い、兄は弟を想う。それが感動的で、ほっこりする。蒸発した妻が悪いという簡単な問題ではなく、そうなった彼女には、精神的に追い詰められた何かがあるのではと思ってしまう。悪い人ではない。よほど悩みがあったんだろう。
お父さんに共感してしまう。職場ではコミュニケーションも上手な「良い人」なのになぜか家庭では無口で心無いことを妻に掛けたり、子どものことも妻にお任せ。そんな自己中な感じが、とても共感できてしまう。それだからこそ、ひとごとではないと反省したりする。もし妻に蒸発されたら、この作品のお父さんと同じように「俺はこんなに忙しいんだ。大変なんだ。ピンチだ!!」と語りたくなる心境も共感をしてしまう。(笑)
職場の関係は、密度がそんなに濃くないから、緩やかだからこそ、良いコミュニケーションでつながる。ところが夫婦が互いが依存同士。もちろん親子もそうかも知れません。それにしてもこの邦題「パパは奮闘中!」そんな喜劇ではなくて、結構シリアスだと感じたのは私だけなのかな?
新婚当初はそんなことなくて、相手を想い労っていたのに、今や居て当たり前の空気みたいな存在。それは、逆に言えば、確かに大切ではあるが、空気のような蔑ろにしていることに他ならない。★★★☆☆
投稿者プロフィール

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人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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