「空母いぶき」観ました

いぶき

かわぐちかいじ 著『空母いぶき』(ビッグコミックス 2015~)ベストセラーコミックの映画化で、海上自衛隊の架空の空母を描いたフィクション作品です。エンタメ作品ではありますが、ただ楽しむというよりは、自国の尊厳や防衛について、少し考えさせられる内容でもありますね。

原作ではトリガーを「尖閣諸島」としているらしいが、相手国は架空の国家「東亜連邦」ということと、空母「いぶき」に取材記者が乗り込んでいる点がオリジナルとなっています。たしかに、ここで中国が敵では制作費を多くの方から収集することや、グラフィック設計者をはじめとする優秀な人材の点、それに加えて「憲法9条」、「専守防衛」といった点から「自国の自衛権」しかも「防衛出動」といった、どちらかというと「タブー」として「無関心」になってしまいがちな自衛隊の自衛の手段とは何か。それを考える機会でもある。平和が当たり前の日常が非日常に…。万一こんな想定外のことが起きた場合、どのような行動をすべきか。一石を投じた作品になっている。

南の島で海上保安庁の隊員が拘束されるという異常事態。救出のために向かう空母「いぶき」を中心とした護衛艦群。そこに繰り広げられる東亜連邦との戦い。映像迫力は、遠くハリウッド映画には及びませんが、それなりには楽しめました。本当は、映像の途中途中に説明を入れずに、その映像迫力だけにする。解説は一切しない。映像ですべて訴える、そんな内容だったら、もっと良かったかも知れません。

一般市民がYou tubeをはじめSNSにより映像でどんな状態なのか、瞬時に国民にわかってしまう時代。もちろん危機を感じてコンビニで非常食や日常品を買い漁る行動へ。そんな方も見えます。戦場だけではなくて、一般生活を描くことも必要だと思います。その時のジャーナリストや記者、コンビニ店員…。それにしても、日常生活のコンビニ店長の中井貴一、店員を演じた深川麻衣も個人的には面白かったが、ここで登場する必要があるのかな?一般市民というのは、コンビニで買い漁る人たちだけではないはずで、、もう少し他の市民の対応も見たかった気もします。

本作の見どころは、もちろん命がけの任務にあたる自衛官たち、そして行政、日本政府の究極の選択。首相の判断も、そうでしょう。外交を通じて紛争解決を図ることも。

それにしてもこの作品は俳優が多すぎ。豪華キャストで費用かかっていると思う。

航空自衛隊出身の秋津を演ずる西島秀俊と海上自衛隊出身の新波を演ずる佐々木蔵之介。その演技を見るにつけ、本物の原作、それを読みたくなりました。★★☆☆☆

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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