「風をつかまえた少年」観ました

風

世界的なベストセラーの映画化です。実話を元にしたノンフィクションが作品となったものです。貧しく学費すら払うことができなかった、わずか14歳少年が独学で、なんと風力発電でポンプを動かし、井戸から水を汲み上げて畑に散水するといったシステムを作った。そして干ばつによる飢饉から村を救ったという。その少年の努力が凄い。エンディングで実在の家族画像も紹介され、その懸命な努力、その努力に心打たれる作品です。

場所はアフリカのマラウイ。ハワイのマウアイ島と間違えやすい地名です。
そのマラウイという国ですが、アフリカ大陸のタンザニアとモザンビークの間に挟まれた小さな国です。世界最貧国の一つで2014年の1人当たり国民所得は約250米ドルと世界最下位。主力は農業で人口の約80%が従事しておりトウモロコシは、ほぼ自給作物用です。商品作物といえば、作品にも出てましたが「葉タバコ」です。輸出約半分を占めているようです。
2005年10月には、ムタリカ大統領は食糧危機に対し緊急宣言が出されるほど深刻。干ばつに見舞われることが多いようです。社会インフラの方は、ケータイは所持率10%。電気は10%しか通ってない。そんな国です。

昔、30年ほど前に行った中国や、20年ほど前に行ったネパールやインド・ムンバイのことを思い出します。そう考えると、わが国はいかに恵まれているかを痛切に感じます。恵まれすぎて、ぬるま湯だからこそ、ハングリー精神というものが今の時代には必要なのかも知れませんね。

そんな国で、2001年に著者であり、本作品の主人公のウィリアム・カムクワンバが独力で自家発用の風車を完成させたのである。もちろん、マラウイ中から強い関心を集めたことでしょう。
ウィリアムが風車を造った当時は人口の2%しか電気を使うことができなかったようです。
彼が14歳の少年時代。2001年に大干ばつが発生。農家を営む家族は彼を学校に行かせる学費すら支払うことができずに退学。しかし、図書館だけはなんとか通うことができた。退学させられるも、潜りで理科の授業を聴講するとか、エネルギーの本を読むとかして、なんとか独学で風力発電を造って畑に水を引くこができたのだ。
当時は未だ雨乞師が居た時代。彼の発想はこどもの玩具、父親はじめ大人たちからは絵空事として映っていたのだろう。
ただこの作品の脚本、少年の活躍は最後の30分程度だった。それまでは、マラウイがいかに貧困に喘いでいるか、そんな前フリがちょっと長過ぎたのではないか、ちょっと残念です。もっと構成がよくならないかな?などと感じてしまいました。
それにしても、今から20年ほど前に雨乞いするほどの社会があったかと思うと、何度も言いますがわが国というのは、いかに恵まれているか、先人の築いた歴史に紆余曲折はあったにせよ感謝です。

風をつかまえた少年

作品の内容は別にして、主人公のウィリアムは14歳でありながら、高い視座に立ち、家族を思い、そして村のこと、国を憂うこと、人を恨むこと無く自分のできることを必至に、そして真摯に学ぶ姿勢に胸が打たれます。自分自身に降り注いでくる出来事は、どれをとっても、子ども心、希望の芽を摘むようなことばかりである。そんな逆風を他人のせいとか社会のせいにしない芯が強い少年の純粋な心に感動しました、★★★☆☆

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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