犯罪心理を紐解くきっかけになる映画「永遠に僕のもの」

塀を乗り越え空き巣に入る。「みつかったら子猫が逃げた…」って答えればいい…と。そんな軽いノリで窃盗をする。

本能のまま、欲しいものを有るところ盗む。目撃されたら射殺する。

窃盗したペンダントを彼女にプレゼントする。まさに異常な精神ではないか。人はどうしたら、人を殺してあんなに冷静になれるのか。

実話だけに複雑な思いである。

後味の悪い作品ではあるが、こうしたことがあったという事実を直視するためには必見かも知れません。この少年の内面、何を考えているのか、どんな思いなのか、深くえぐって欲しかったと思う。

おすすめ度:★★☆☆☆
理由:見る人を選ぶような映画であるから。

“EL ANGEL”とは、神の使者。という意。原題だ。しかし、神の使者?いやいや、とんでもない。神の使者ではない。悪魔の使者である。しかしその容姿はまるで天使なのだ。そのギャプが凄すぎる。少年犯罪である。1971年に本当にあった実話を元にした作品だけに、本当なのか?と目を疑います。南米アルゼンチンの首都ブエノスアイレス。17歳の少年が起こした12人以上の連続殺人事件が発生した。その少年をモデルにしている。どうしたら、そんな異常な、いや、狂気の事件が起きるのか。その少年、そんな蛮行ができる少年をどうやって生み出してしまうのか。

しかし、その殺人者は特別に目付きが悪いとか、醜くいとかではなく、一見見た目は美しい少年なのだ。だから絵になる。作品になるのだと思う。そのギャップが作品を観る側からするとたまらなく面白いのだ。この作品に惹かれてしまうひとつの要因である。

主役の少年カルリートスは確かにハンサムであるが、体型も幼い。幼児体型といっても過言ではない。美少年と言って良いかも知れません。ブロンドの縮れた髪。真っ赤な唇。そんな容姿から「ブラック・エンジェル」とか「死の天使」といわれたようである。

そんな少年も最初は窃盗にはじまり、どんどんエスカレートして、強盗連続殺人へと発展していくのだ。同性愛とも思えなくもない展開もある。

でもそんな少年の両親は、至って普通なのだ。いや、真面目な市民だけに、そのギャップが信じられない。そんな両親とは裏腹にこの少年にはそうした罪を犯した罪悪感というものは微塵も感じられない。全くないのだ。殺したこともチームで殺人をしたのだという。そんなチームというものは長続きしないのか。パートナーというのは、やはり近すぎるとやがて些細なことで嫌になることとか、小さなズレが許せなくなることもあるというのか。やがて分かれがやってくる。

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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