人生とは2つの選択しか無いのか。太く短く生きるか、長く細く生きるか。いや、そのほかの選択肢もあろう。太く長く生きる人生だってあるんだ。先日見た「エルトン・ジョン」は依存症から復活したのだ。幸せを掴むのに遅すぎることはない。気づいた時からやればいい。不退転の決意でなくてもいい。ユルユルと柳のように調和が大切なんだ。
オススメ度:★☆☆☆☆
理由:太宰治通なら、面白いかも知れませんね。私も一時、斜陽や人間失格にハマって、一体どんな人物かと興味を持ったことがあります。そんな人間臭い太宰の一面を確認したい人にはオススメ。実は3人ではなく、田部シメ子、小山初代を加えれば、津島美知子、太田静子、山崎富栄で5人ではないかと思ってしまう。それも人生なのだ。人生は一回しかないのだから。
残念なのは、知っていることばかりだったから。
それを映像化されてもね。少し捻りが欲しいと思った次第です。
太宰治の後半の私生活を描いた作品。
太宰治といえば、走れメロス、津軽、斜陽、人間失格。
その「人間失格」の骨格となす私生活。
太宰と関係を持った3人の女性。
太宰(本名:津島 修治)を演ずるのは小栗旬だ。
そのキャラと私の中の太宰像も合っている。
この作品は「斜陽」の誕生から始まる女性関係から太宰の入水自殺まで。
3人の女性は宮沢りえ、沢尻エリカ、二階堂ふみ。
1人目は二人目の奥さんの津島美知子、
2人前は斜陽の太田静子、
3人目は太宰(当時39歳)と入水自殺した山崎富栄(当時29歳)である。
まずは「斜陽」の誕生から。1947年のベストセラーの斜陽。
「斜陽」という言葉をすでに日本語化されたぐらいの社会現象。
ただし、その前には、斜陽族という言葉が流行っていたようだ。
「斜陽」は、没落した華族の女性を描いた作品。
主人公かず子のモデルとなった太田静子と関係をもった太宰。
彼女の日記を参考に執筆したとされている。
執筆中に静子が太宰の子を妊娠し、生まれた女児に太田治子と名付けた。
後の作家で今も活躍している太田治子だ。
そして3人目の女性、
戦時中にマニラ行方不明の夫を待つ身の美容師・山崎富栄だ。
彼女と知り合った太宰は、彼女とも関係をもった。
太宰の身体はすでに結核に冒され、酒に女性にと溺れていく。
作品で何気なく、描かれている一人息子。
ダウン症だということが、この中でよく描かれている。
なかなか細かく描かれている。
遺書にあった、美知子宛の「誰よりも愛してゐました」
人間失格を脱稿した後、
そのわずか1か月後に山崎富栄とともに玉川上水で入水自殺したのだ。
そう考えると、人間失格をあらためて読むと感慨深い。
(注意・注意・注意)ちょっとネタバレです。(注意・注意・注意)
人間失格の第三の手記のシーンで、
大庭葉蔵が、東京での、ある雪の日。
真っ白な雪に残る喀血の跡が、日の丸のようだと言った節がある。
それが、映画の映像と重なった瞬間。思わず人間失格のシーンが蘇る。
本というのは凄いと思う。
頭の中に作品がすでに描かれているからだ。
それが、一瞬にして実写映像と結びつくんだから。
有名人が必ずしも幸せではない。
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投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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