映画「帰れない二人」 男女の関係は摩訶不思議な世界。大人の恋愛とは何か。帰る場所はあるんだろうか

帰れない二人(1)

不運なのか、やっぱり男性の裏切りなのか。
それでも元のサヤに戻ろうとするのは自然の男女の流れなんだろうか。
不思議な感覚だ。
「帰れない二人」はまさに「離れられない二人」でもあるのだ。

男女はいくら仲が良くても、
愛と憎しみが相互に交差するものだと思う。
自我に走れば、距離が広がる。
互いをおもんばかると逆に距離は縮まる。
その狭間に揺れ動く女性の心動き、
そして、一途なまでのその生き方に
私は共感を覚えずにいられませんでした。凄い。
自ら刑務所で服役してまで彼を守り切ること、
そこまでの必要性があったのか、
その強さ、その覚悟がとにかく凄い。

帰れない二人(2)

オススメ度:★★★☆☆
理由:訳アリのカップル。腐れ縁。
友達以上恋人未満。一緒にいるだけで安心する空気のような存在。
すごくラブラブでなくても、ほんわかとした関係。
そんな貴方にピッタリの作品です。懐かしい感覚。
レトロな感覚。そして、中国の風景が好きな人にオススメです。

時間が人の熱狂を冷ましてくれる。
時というのは、時には残酷な仕打ちをする。
男は強いだけでは、あかん。無口もあかん。
時に不器用は、格好いいところもある。

知り尽くしている男女というのは、言葉数は少ない。
人は思い通りにならないのだ。とても切なさが残る。
それがまた残酷さの中に温かみがあるような、そんな作品。
すごい作品だと思う。まったりとした時間の流れ。
その中でしっかりとしたテーマ設定。これぞ映画だ。

人の男女の心の動きがよく分かる。
最後は孤独なんだ。そう言わんとばかりだ。

そして広大な大地が広がる中国。やっぱり広い。
時の流れを感じさせない変わらない風景。
そして、その一方で変わっていく社会。
人の気持ち。古い時代から新しい時代へと変化しいてく有様。
どれも切ない。そして、新鮮だ。

著しい中国経済の発展の中にあって、
変わらない何かを探すのには良い作品だと思う。

ヤクザ社会のいわば、黒い闇の社会にあって、
この男女の関係は、そうではない人も沢山いる中で、
至って純粋な二人でした。それは哀愁と共感を生むんだよね。

この作品は2001年からの18年間を男女の人間関係を
シンプルにとらえた作品。
変わったようで変わらぬ愛。
人生は彼女が持っていたペットボトルのように最初は透明で
シンプルなのかな。時間と共に不透明になっていく。
それも色あせてセピア色になればなるほど愛おしくなる。
時間がゆっくり流れる。
目まぐるしく変化のあるサスペンスやスリラーとは
正反対なこのような作品も気に入ってます。

広い中国で山西省の都市の大同市。
# 一緒に行った知人の話では、
# 山西方言は中国人でも聞き取れないらしい。(笑)

ここからはちょっと
ーネタバレ注意ー
↓↓↓
大同市は石炭の街だったらしい。
裏社会を生きている彼。
そんな彼を助けるために拳銃を発砲する彼女。

「その拳銃はどうした?」との警察の問に「拾った」と言い続けて、
彼をかばうのだ。
結局彼女は、5年間の服役を余儀なくされた…。
そして、彼は、彼女が服役中に一度も面会に行かない。
そして彼女が刑期を終えて、彼に連絡しても通じない。

彼女は彼を追う。
長江のほとりの古都・奉節

彼には新しい彼女ができていた。
それでも直接会って話をしたいと願う彼女の気持ち。
「わかる」「わかる」

中国の内部の大都市・新疆を経由して
故郷の大同市に戻っていく彼女。
ここで、有名な劉慈欣の小説「三体」の
ワンシーンが登場するのだ。

お酒に溺れてついには体を悪くする彼。看病。
そして、また去っていく。
なんとも切ない作品だった。

字幕で「渡世人」と出た。
あまり最近では普段使わない言葉だ。ヤクザの方が通じる。
その反対語の「堅気」。彼は堅気として別の女性と一緒になる。
時間というのは平等にあるように見えて実は違うのかも知れない。
そんな錯覚すら起こすような作品だ。

渡世人(ヤクザ)とは、因果応報なのかな。
心理的にも、そして物理的にもさまよう物語なんだよね。

水没前の三峡ダムの周囲や人々の風景も、
北京五輪も
経済発展していく現代中国の姿も
いろんなものが混ざっていて複雑になっていて。

そこにレトロな二人が存在する。
対比される様に描かれる
徐々に齢を重ねていく二人の姿

ストーリー展開が、シンプル過ぎて物足りないかも知れません。
それでも、十分に見応えがあります。
特に、彼らと近い世代の人には響くと思う。

帰れない二人(3)