ジョニー・ディップ演ずる末期がんの大学教授の生き様。
迫りくる死に対して、人は残りの人生をどう生きていくのか。
死と直面しているのは、本当は誰でも共通だ。
明日があるという保障は無い。
ある日死の宣告を受けたとしたら…。
そんな時に人は、
大満足して「死」というものを向かえることができるのだろうか。
いや、せめて満足しなくてもいい、気を張って生きなくてもいい。
気楽にむしろ「死」を意識しないで生きていきたい。
そうした普段どおりの生き方がしたい。
そんな生き方で良いのかも知れない。
人の人生ではない。自分自身の人生なのだ。
恋愛とは何なのか。
「愛というのは結末ではなくて、お互いに理解しようとする過程なのだ」と。
そして家族の愛とは何なのだろうか。親子間または夫婦間。友人間。様々な人間関係。
「何でこの俺が癌になるんだ、クソ!」
そう思いながら、「やりたいことを我慢しないで生きていく姿勢」を見せていく。
それでいて粋がらない。自由に生きているように見えるが、実は物凄く寂しいのが現実なんだ。
しかし、正直に生きようとすればするほど、自身の理想との葛藤が広がっていく。
そして死への恐怖が本当はつきまとうのだ。
そんな中にあって本気で心配してくれる親友の存在は大きい。
そんな姿を見ると胸がジーンなる。
見ているこちらも共感するところが多いからだろう。
そんな周囲の環境に中にあって、残りの人生で新しい発見ができるのか。
生きる意味って本当は何なのか。それを学生に教えていく。
それは単に「大事に生きよ、大切に生きよ」ということではない。
自分なりに意味のある人生とは何か。
生きていく上で大切なものとは何だろうか。
「聴きたくない奴は教室から出ていけ!単位はやるから」
そして自分らしい授業をやる。自分らしくだ。
マリファナ、セックス、飲酒。したいことをする。
ちょっとヤリ過ぎかもとも思うが、それもアリかも知れません。
授業のシーンはもう少し、深く、そして教授の授業を沢山再現してほしかった。
何を教え子に教えていくか、その名言の数々がもっとあるはずだ。
そう考えると少し物足りない気もする。
人は最後には、人の心の友というのはペットが一番なのか。
この作品は死を目の前にした教授の生き方、姿勢。
これは普通のお涙頂戴物のメロドラマとは違う作品なのだ。
人は死を知ると、人らしく生きることが難しいのかかも知れない。
オススメ度:★★★☆☆
理由:感動とか共感が多くある作品ではない。でも死と向き合ったら、現実はこんな感じなのかも知れないと思う。そんね現実に近い作品に仕上がっている。格好の悪いジョニー・ディップが、それがまた絵になるのだ。ジョニー・ディップがますます好きになると思う。
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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