これまでの価値観すら覆す凄さ、人としての境界とは一体何だろう「ボーダ 二つの世界」

ボーダー1

本作品はこれまでの価値観や常識はどこかに追いやられしまい、
新しい価値観を構築されていく。

自信を失っていたティーナが自己肯定感を高めていくシーン。
本当はどんな生き方が正しいのか。もともと正しいも正しくないもないのだ。
結局は自分が良いと思う道を進むしか、ないんだよなぁ。
自分のことを信じられずに一体だれの可能性を信じるのか。
まただれを頼るのか。
そう思うと、まんざら自分の人生も、また、
どんな人の人生も捨てたものじゃないのかな。

ボーダー2

渡航者の怪しい所持品を嗅ぎ分ける超能力を持ったティーナ。
怪しい渡航者のヴォレ。本作品はファンタジーでありながら、
メルヘンタッチではなく、どちらかといえば、とても表面上は醜い。
しかし心は純粋なんだ。そしてある意味ではSF作品でもある。

性とは何か。男女とは何か。人種とは民族とは何か。
ボーダーレスなのか。それともボーダが存在するのか。

過日観た「マレフィセント2」では、妖精VS人間の戦い。
それに近いかも知れない。だから共通点もあるように思う。

ティーナは一見、容姿は醜い。
しかし、何だろうか?
それは心なのか何か、純粋さなのかな?
美しさを感じる。

現代版の神話というべきか、
あるいは現代版寓話ではないか。
新しい世界観ができあがっている気もします。
この展開は凄い流れ、凄い発想。

序盤は、どういった展開になるのか先行きが全く不明。
嗅覚が特殊な女性?いや異星人?
染色体異常?男女でもない新しい生命?
一体どんな世界に作品鑑賞者を誘ってくれるのか。

後半戦は、人は容姿ではなく、美しい気持ち。心なのだと、
言わんばかりに引き込まれていく。
まさに魂が揺さぶられる感覚です。

人としてという器ではなく、
もっと大きな器で物事を捉える必要さえ感じた。
そして、そうならざるを得ない、
それでも、そう考えなければどうしても収まらない感覚だ。
自分の心の醜さが表面に出たような感覚だ。

オススメ度:★★★★☆
理由:何が正しくて何が正しくないか。
理性とか性とか、愛とか、もろもろの世界をひっくり返す、
そうした感覚が凄い。

ネガティブに落ち込んでいたら、
実はある方向から見たら、バラ色なのか?
それは何ら欠陥でもなく、
ごく普通だったってこともあるんだ。

私はこんな価値なんだ!って思っていたら、
実は別の180度違った価値だった。
自分の本当のことは、一番わかっていないのが自分なのだ。
自分の本当の姿を知るのはいつなのか。
同じ仲間に会える喜び。愛するという性の喜び。
そうした目から鱗が落ちるシーン。それが何時来るのか。

暗い闇の中でも、最も清らかで汚れのない美しい魂とは何なのか。

一見、ごく普通に見える善良な顔をした市民が実は、
とんでもない反社会的なことに手を染めていることだってある。
さりげない日常の中で異常な状況が展開されていることもあろう。
そんなことが、日常茶飯事に行てれていると思うと…
心が重い。

いつも誤解されているが、本当は、世間が認めていない人にこそ、
本当はとてもいい人だってこともあるんだ。

復讐心と正義は相容れない存在なのか。様々なことがこの作品で試されている。

自分の存在を許容できるか、あるいはできないとしたら、
他を服従させてでも心のバランスを保とうするのか。
安全ということが幸せとは限らない。

経済的に豊かだということに余り意味がないかも知れない。
人は孤独の中で、それを見失うことなく生きていくこと。
それが大事なのかも知れません。

好きになった後、この人に出逢わなければよかった!
そんな経験、感覚の作品でもある。

♪♪~ 僕が僕であるために…勝ち続けなければならない…。~♪♪ 

僕が世間の常識とやらに近づいていくのか。
逆にその世界を自身の考えに近づけていくのか。

差別というのは根拠がないからこそ、根強い。
境界というのは消しても、消しても、
次々とまた発生していく。絶え間ないのだ。実に悩ましい。
応えのない世界に我々は存在しているのも事実なんだ。

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
詳細プロフィールはこちら。