家族を救うため夫を殺した母『ひとよ』とは一夜でもあり、人よでもある

ひとよ1

人は結局は
いろんな出来事に巻き込まれながら、生きていくしかないのだ。
とっても、重い課題を突きつけられた作品だ。
罪の意識か過去のトラウマなのか。
せっかく今を生きているが、
過去が未来を、
未来が過去を変えて行くものかも知れません。

今をいきているはずなのに、
いつのまにか過去に引きずられて生きていく
生き方をしてしまうことも多いはずなんだ。
生きるヒントが詰まっているように思う。

居なくなってくれたら良い。
死んでくれたらもっといい。
そんな父親の存在。

この子たちのためにした殺人が、
本当にこの子たちのためになったんだろうか。

たとえ家族を救うためとは言え、殺人なのだから罪は重い。
またその後の人生を大きく狂わされた子どもたち。
服役を済ませ、流転しながら約束どおり家に戻ってきた母。
元々は舞台作品だけに、非現実的で、辻褄の合わないことも多い。

しかしながら、
人の感情を表現するには、多少の設定の矛盾は
多めに許容する目を持たないと、
本作品を味わえないかもしれません。

それでいて、限られた時間に収めるに意味のないSEXシーン
もあったりして。もう少し構成を考えても良いかも知れませんが、
それも愛嬌とする広い目で観るといいです。
作品内容そのものは悪くないのですから。

万引き家族で柴田亜紀役だった松岡茉優がとにかくいい。
最近では『蜜蜂と遠雷』だったけど、その演技も良かった。

横顔で主演だった筒井真理子は今回は脇役。
田中裕子はじめ佐藤健、鈴木亮平とそうそうたるメンバー。

ひとよ2

オススメ度:★★★☆☆
理由:家族で笑うということ。怒りをぶつけるということ。
愛するということ。家族崩壊と絆っていうのが、そどういったものか。
複雑だけどそれが垣間見れた。

最後に頼れるのは家族だけに、複雑なんだ。
作品に矛盾や辻褄が多いのは、この作品に限ったことではないが、
気持ちで受け取るしかないんだよね。こうした作品は。
事件が起きてこれまでのそれぞれがどんな思いで過ごしたのか。
それはこちらが創造するしかない。
たとえば、
15年ぶりに再会するとき、どんな表情で会うのか。
ちょっと拍子抜けのところも多々あるが、
私ならどう描くか。どう思うかという点で観られ面白い。

家族愛とはどれが正解というのはないし、
「そう生きてほしい」と傍から願っても、そうならないのが現実。
結局は「見守る」しかないのか。

真面目なテーマだけに、
ところどころに散りばめられた笑いネタには救われる。(笑)
それでいて、真剣に笑えない。
笑いながら、どことなく悲しい。

生きているということは、
とにかく辛いと思うことの連続でもあるし、
それが逆に愉しいこととの表裏一体。
山谷が命尽きるまで続くんだと思う。

例えが悪いかも知れないが、
母さんは母さんなんだ。「腐っても鯛」なんだ。

こんな家族に果たして
岡村孝子「夢をあきらめないで」が響くのだろうか。
現実は厳しいかも知れない。
それでもそれを信じるしかないのかも知れない。

一体、あの時の、あの夜の出来事は一体何だったんだろうか。
苦しさ、悲しさ、開放感、絶望感。
様々なものが入り乱れて、混沌とした暗闇。
途方に暮れる夜もあっただろう。
それでもいつか希望に満ちた夜にも出会うものだ。
陽はまたの登るんだから。

好きだけど嫌い、愛憎、葛藤。
愛あるゆえに憎しみも湧いてくる。
そして、実際に犯罪には無いにせよ、心の奥底に罪を作っていく。
人の感情は複雑なんだ。
人は、相手を殺してしまうほどの強い感情もある。
反面、優しさもある。弱さもある。

起きる出来事をどのように捉えるかによって、
人の心は様々に化けていく。
だれしも大なり小なりの悩みがあるんだ。

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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