過去は変えられない。だから一生、影を踏み続けなければならないのか。映画「影踏み」

影踏み1

人は、人生の選択を自分では選んでいないように見える。
見えない糸で、弄ばれているようにもみえるからだ。
しかし今、この場所、ここにいるのは、
決して人のせいではない。すべて自分の選択なんだ。

横山秀夫の小説の映画化「影踏み」。
人の内面をコレほどまでに、えぐり出して、
突っ込むところが凄い。

横山秀夫と言えば、最近では”ノースライト”、
他にも”クライマーズ・ハイ”、”震度0”…。
今回の作品は”臨場”のような短編連作のミステリー小説。
それだけに、果たしてどんな形で映画になるのか。
興味がありました。

展開が拙速だった点もありますが、仕方ありません。
映画という限られた時間制約の中で、
収めるのは苦労されたんだろうと思う。
この作品を楽しむには、原作が一番です。

-泥棒-
泥棒にもいろいろなタイプがある。
彼は空き巣狙いではない。
在宅していても、相手にバレなければいいので、
いわゆる忍び…
それで「ノビ師」と呼ばれているらしい。

あの君膵の北村匠海。
そして、ともにNHK連ドラの尾野真千子、中村ゆり。
その役にピッタリハマってました。
脇役ではありましたが、
さすが大御所の大竹しのぶや下條アトム。

# 竹原ピストルと山崎まさよしは、
# やはり歌手ですよね。
# 俳優を生業にはしていない感じです。(スミマセン)

主人公ノビ師を演じるのは山崎まさよし。
彼には、双子の弟がいた。
その双子の弟は、15年前に母親ノイローゼの末、
放火して無理心中で死んでしまったのだ。

「双子」というのに焦点をあてて、
ー比べられるということー
それはどういうことか。
常に比べられるとは、どれほど辛いことか。

本当は、過去の自分と今の自分を
比較するべきところを、
常に身近な双子で、比較されてしまう。
恋愛も勉強も。ひょっとして個人の価値観も。
双子の闇の心の動き。
そこをクローズアップする。

本作品では、そうした感情を
言葉で全部説明しないければならない状況。
作品の時間制約の壁が埋まらない点がちょっと残念。
しかしながら、それは仕方あにかと。
過去と現在を行き来する作品表現は難しいと思う。

過去は変えられない。
事実よりも真実。

葛藤。そして人それぞれの心理。
人間関係…。まさに生き方を突きつけられる作品だ。

オススメ度:★★★☆☆
理由:双子兄弟・姉妹はじめ、
常に身内の誰かと比べられて
育ってきた人にはオススメ。
本来は自分と対峙するはずが、
常に自分以外の人と比較されるということの意味。
そして過去のトラウマにどのように対峙していくか。
この2つの対峙について、深く見つめたい人。
そして横山秀夫ワールド。
人と人とのつながりが好きな人にはオススメです。

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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