動物も人も命は有限。そして生前の面影は永遠の宝物だ『いのちスケッチ』

出会いと別れ、命を預かることの意味や重さ。
動物園で働きながら、家族とも接しながら
日々を送っていく。
動物園で働く人々。
何気ない毎日の繰り返しが
微差の積み重ねがやがて
大きな動きになるんだ。

動物のことを考えて極力動物に負担をかけない、
麻酔をしない採血を国内で初めて成功した動物園がある。

観るまで全くその存在を知りませんでした。
九州福岡の大牟田市動物園である。

役者は、ほぼ九州福岡出身で固めるという拘りぶり。

田中亮太演ずるEXILEの佐藤寛太は漫画家志望のアルバイト。
獣医師の石井彩を演ずる藤本泉の演技も良かった。

漫画家になる夢を捨てて、大牟田に戻った亮太。
無気力な亮太。
そんな亮太が少しずつ周囲の影響で変わっていく。
まるで自然治癒のよう。

そんな中で亮太が、認知症の「ばあちゃん」との
接し方が、本当に自然でともて心温まります。

無麻酔採血によって、
何かが画期的に変わることはないかも知れません。
それでも、ここに働く意味って何か。
ふれあい。ぬくもり。温かい人達だということだ。
何か凄いことがなくとも、平穏で過ごすということ。
家族のこと。故郷のこと。
その街を歩きたくなる。

これまでの動物園の概念を払拭する画期的な考え。
動物福祉なんだ。それ自体、とても地味な活動でもある。
それよりも家族の存在、人と人とのつながりに
胸を打たれる。

動物園の日々の仕事。
何がという特別なものはないが、
人を思いやる、動物を思いやる、
そんな気持ちがいっぱい広がる。
そういった作品を観ると心温まります。

オススメ度:★★★☆☆
理由:よくありがちな映画作品ではありますが、
動物を通じて、
人の暖かさを通じて、心温まりたい人
ほんわかとしたい人にはオススメです。

動物園とは単に動物を愛でる場所ではない。
「動物園は命と向き合う所」なのだと。
動物園の動物は、野生より長生きするんだ。
それが幸せかどうかはわからない。
体調管理によって、与えられる食事も決められている。
無闇に餌をあげないで…というのは、ごく当たり前。
だから、野良猫は早死なのかも知れません。

旭山動物園は斬新に見せる動物園。
大牟田動物園は動物に優しい動物園なんだ。
どちらが悪くて良いというものではない。
動物園とは見世物小屋なのか。
それとも…。

人は、やっぱり「癒やし」を求めているんだ。
いじめ、虐待、誹謗中傷。暴力など
そんなギクシャクした毎日は疲れる。
だから、こうした作品で温まることが必要なんだと思う。

いのちスケッチ2

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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