わずか一時ではあるが、米車が欧州車を負かせた時代があった「フォードvsフェラーリ」

フォードvsフェラーリ

ル・マン24時間耐久レースでの実話をもとにした作品である。
あの名車、車高がわずか40インチの「フォード・GT40」。
スクーデリア・フェラーリを買収できなかったフォード。
その実話に基づいている。

フェラーリに勝ったフォード。ようやく勝ち取るサクセス・ストーリー。
先日1/13に発表されたアカデミー賞のノミネート作品にもなりましたね。
イタリアの名門フェラーリーに挑む巨大企業フォード。

耐久性・スピードともに優れている車の開発に注力するエンジニア。
そしてそれを運転する優秀なドライバー、ケン。

流石に世界を凌駕する巨大な組織フォード。
そこまでになると、様々な葛藤や上下関係など歪が生じる。
そうした点を上手く表現している作品でもある。

諦めない精神で、はじめは無謀とまで思われるレースでの優勝。
それでも諦めない。
結局は、
度が過ぎると、卓越さえすれば、超えられないものというのは、
本当は無いのかも知れません。

こうした作品を観る観客からすると、
環境が整っていて十分であれば、それはそれで、できて当たり前。
だから、そうした条件では感動は薄い。

ハードルが高ければ、困難が伴えば伴うほど、
逆境に耐える姿を観客は望むものだ。
期待も高まるからだ。
そして、共感するんだ。

レース中のスリリングな映像は、
まるでそこに居るのでは無いかといったアングル。
そして、レース中の手に汗握るマニュアルギアチェンジ、
タコメータの針の振れ、エンジン音もいい。

そこはまるで、オイルの匂いやタイヤとアスファルトの擦れた匂いがする。
そうしたきめ細かい表現が圧巻です。

作品はそれだけでなく、
それよりもむしろ、家族の絆。友情の描き方なんだ。

おすすめ度:★★★☆☆
理由:車好きでなくても楽しめる。
それは人間関係に焦点を当てているからかも知れません。
困難に立ち向かう姿に勇気と感動をもらえると思う。

本作品は、カーレースに力を入れていないように見えるとことろが粋です。
それがかえって、この作品の強みにも観えるのだ。

輝かしい栄光の舞台裏には、ギクシャクした世界もあったハズだ。

実話を元にした内容だけに、それだからこそ、重みがある作品でもある。

あの組織のギスギスした内部抗争。
アウトプット主義的な巨大企業のメンツ。
フォードの体質が巧く描かれている。

エンジニアのキャロル・シェルビー、
そして破天荒なレーサーのケン・マイルズ。
彼の生き方がとても素敵だ。
ケンの奥さんも、そして子ども。
自分に素直でとてもいい。
私もそうあいたいと思ってしまう。

友情、家族愛、絆。

全く正反対のまるでサラリーマン生活にどっぷりのアホな副社長。
そうした彼の一所懸命にやっているチームに水を差すような、
まるで感情を逆なでする演出が、またいいんだ。
本作品は人間模様にも共感する作品であるに違いない。

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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