オススメ度:★★★☆☆
理由:初心貫徹。子どもの頃に描いていた社会が大人になると中庸になり、気づけば骨抜きになることがある。人は周囲の人によって影響される。いい人を周辺に置く必要がある。人に影響を与える人。その意味を知ることもできる。涙も笑いもあって、考えさせられることも多い。エンドロールのころには、スッキリして心地よい感覚を得たい人には、とってもオススメの作品です。
Long Shotとは元々、勝つ見込みのない候補、あるいは大穴を指しているらしい。
このタイトルも粋である。
それにしても主役のシャーリーズ・セロンは、とても44歳には見えません。
彼女が演じるシャーロットは、国務長官で、分刻みのスケジュールをこなす。
淑女であり次期大統領候補で野心家でもある。
一方の相方のフレッドは、冴えない失業中のジャーナリスト。その不釣り合いが良い。
それでいて、二人でいる姿はとても素敵に映し出されている。なぜかしっくりとくるのだ。
全く美男子ではない彼。
目の前の美男子…でなはないところがまた、この作品のいいところだ。
そういった点が
旧来からのラブコメ作品ではない、一線を画すところなのだ。
本作品は、彼女の政治家としての駆け引きや外交、
そして訪問先での暴動、
国民世論、社会の見る目など、
多彩な内容が折り込んである。
それでいて、笑いあり涙ありの作品だ。
特に彼女の最後の演説では、ちょっと泣けた。
周辺の友だちも最高である。フレッドの親友。彼もいい。
立場、思想、肌の色、違う相手を含めて、その違いも含めて
求める。否定しない。
誰しもが持っている偏見や差別。
それは例えば、
民主党と共和党の二大政党の対立。
宗教問題など、現在悩んでいる点も巧く盛り込まれており、
そうそう単純に収まらないあたりも、本作品の凄いところだと思う。
それを善として、その上で相手と繋がること。
認める、許容する。
そうすることで繋がれるんだ。
下ネタもまあまあ面白いし、いける。
以外にも、まあまあ面白くて、
観ているこちらがとっても元気になる。
こんな作品をもっともっと多くみたいと思う。
いい人には、いい人が寄って来る。
やっぱりその周囲の友達もまた、
いい人なんだ。
いい人は「人のことを応援する人」なんだなあ。
ってつくづく思う。
だから、そんな素敵な人の周りには、その人の事を思って
大切に思うからこそ、また輝くんだと思う。
そして作品の後半には公正明大。正義とは何か。
「Justice」
求めているのは報復的正義でも修復的正義でもない。
やはり、公正としての正義なんだと思う。
投稿者プロフィール
-
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
詳細プロフィールはこちら。
最新の投稿
- 2024年4月23日映画『陰陽師0』
- 2024年4月17日映画「オッペンハイマー」
- 2023年11月27日映画マルス信州蒸溜所を思い出した「駒田蒸留所へようこそ」
- 2023年11月27日学会令和5年 電気学会電力エネルギー部門大会テクニカルツアー奥美濃水力発電所(2023.09.06)