スリルある高所感、新しい発見には時に無謀な一歩が必要なんだ「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」

気球1

オススメ度:★★★☆☆
理由:歴史が変わる。世界観が変わる。公式が変わる。
そんな世界は、
コンフォードゾーンを少し跨いだ時なんだ。
そんな勇気を与えてくれる。
そして、あの高所の臨場感を
味わいたい人にはオススメです。

作品の時代は19世紀イギリス。
ビクトリア朝時代のロンドン。
当時の気象予報とは神業で
「神のみぞ知る」という時代だ。
そんな時代にガス気球に乗って
気象データーを収集した人物がいる。
その解明に務めた
気象学者のジェームズ・グレーシャー。
もうひとりが
ヘンリー・コックスウェル
という人だったらしい。
本作品では「アメリア・レン」
という女性に変わっている。
その2人は1862年にガス気球で高度1万1887mに達し、
当時の最高高度到達記録を更新したのだ。

気球2

当時19世紀半ばとは、時代背景は、
昨年鑑賞した「ピータールーの虐殺」が1819年。
時代は、それから約半世紀後。
ちょうどクリミア戦争や
インド大反乱の終わったころだ。
あの時代に大気圏を肉体で体験したとは…

あの上空の足がすくむような映像。
作品としては、架空の存在ではあったものの、
そして気球の中の男女の相性。
かたや学者肌の堅物。もう一方はじゃじゃ馬。
その相性が実にいい。

今でこそ常識は昔の非常識。
当然気象学者ジェームズは、
奇人変人扱いをされる。
でも結局、
傍観者は世界を変えることはできないんだ。
変えることができるのは奇人変人なんだ。
この計測へのこだわり。

あのエベレストが標高約8800m。
無酸素登頂する登山家もいるから、
気球でも行けないことはないとは思うが、
高所順応などの高山病対策も必要だっただろうし、
過酷な気象条件なんだ。

アクシデントもあっただろう。
そうした臨場感が良く描かれている作品だった。
この作品はアマゾンプライムでも見ることはできる。
しかしながら、あの臨場感は味わえないと思う。

手に汗握るシーン
あの高所の気球。スリル満点です。
体感型のアドベンチャーは大画面がいい。
危機一髪のアトラクション。
雲の中。体感温度。大気圧。
さすがに足が竦むわ…。
凍傷もあったんだろうなぁ…。

ギリシャ神話のイカロスを彷彿する二人。
高所を飛ぶ蝶。ブロッケン現象。
空の碧さ、美しさを超えて恐ろしい。
冒険とは恐ろしいものかも知れない。

この話の真実。実話を知りたくなった。
実話を脚本した作品ではあるものの、
ちょっと残念なのが、やっぱり
気球のパイロットは実在の人物ではなく、
「アメリア・レン」という
架空上の女性に変わっていることだろう。

どうせ脚本するなら、
架空の人物を建てずに、
実在の人物を脚本して欲しかったのではないかな?
って思う。

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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