3月で機内で先取り、日本では6月に…エジソンとウェスティングハウスの交流戦争「エジソンズ・ゲーム」

エジソンズ・ゲーム(1)

↑↑↑これは3月の機内でのモニタ
一方↓↓↓これは6月でコロナ禍緊急事態宣言解除の6/19日本開催

エジソンズ・ゲーム


オススメ度:★★☆☆☆(2.5)
理由:直流と交流の覇権争いエジソン,ウエスティングハウス,
JPモルガン,二コラ・テスラ
電力技術史として俯瞰して観るには良いが、
映画作品としては今ひとつだった。

「電流(カレント)に興味はない、
興味があるのは金(カレンシー)だ」
「技術は使い方によっては光にもなるし、闇にもなる」
が印象深いフレーズだった。
せっかくの歴史のいちページ
電気の創世記 だから内容はもっと熱っぽく、
人間臭くして欲しかった。

それでも期待ほどではなかったものの、
光と影の一旦が垣間見られるので、
観る価値はある。 日本公開は2020/4/03だったが,
コロナ禍で6/19になった。

電力事業が拡大するに従って直流電流か
交流電流かで「電流戦争」が繰り広げられたのだ。
今から約140年前。
時は1880年代。電力の供給方法を巡って論争があった。
いわゆる「電流戦争」だ。
原題はThe Current Warなのだ。
技術屋にとってはとても有名な話である。
だからこそ、もう一度映画館で観た。
直流送電派のトーマス・エジソン。

対する交流送電派のジョージ・ウェスティングハウス。
ウェスティングハウスが会社を設立したのは、
エジソンより遅れること4年後だ。

流石にエジソンは時の人だっただけに、
本当は一癖も二癖もある男だったのに、
何故か撮影中にGEの?介入なのかな?
すっかりエジソンがいい人…
つまり抜け殻になったという。

もっとズケズケと
踏み込んだ悪人として描くべきだったと思う.

エジソンはネガティブCMで交流派を潰そうとした。
実業家のウェスティングハウスは交流派だ。
エジソンの会社に勤めていたテスラも
「交流」を提案する。

裏工作のしまくり。
エジソンと決裂したテスラ。
そしてウェスティングハウスへ.

1882年のニューヨークのパールストリートの発電所
「中央ステーション」だ.ウォール街の一流銀行のJPモルガン.
エジソン・エレクトリック・ライト社の創業
そこにウエスティングハウスの登場,
シカゴ万博,ナイアガラ発電所…
その間約20年弱.目まぐるしい電力産業の歴史
それを知るには面白いもの仕上がりです.

それにしてもエジソンの白熱電球。
白熱電球といえばフィラメントの話は余りに有名。
日本の竹、竹を使ったフィラメントが有名ですね。

てっきり電流論争は技術的には
エジソンとテスラと思っていましたが、
寡占競争として捉えるとエジソンとウェスティングハウスだ

19世紀の当時の様子がわかります。
人はプライドだけでは勝てません。
無論、技術だけでも勝てません。
技術は競い合うものだけど、最後は人間性。

テスラファン贔屓の私には、
天才はむしろテスラではと思ってしまう。
エジソンの描写が、人が良いように描かれているのが、
少し残念でもあります。(LOL)
エジソンは天才発明家と言われた裏では、
ライバルを蹴落とすために
汚いプロパガンダ工作を行いまくっていたんだから。

作品が淡々と進んでいくのは、ちょっと残念。
マーベル映画かと思わせる豪華な出演陣だけに、
もう少しなんとかならんかったのかと思った次第。

エジソン役のカンバーバッチ,
ウェスティングハウスのマイケル・シャノンは
実に紳士で不遇のニコラ・テスラ役のニコラス・ホルトも
いい演技でした.

中でもサミュエル・インサル役,スパイダーマンの
トム・ホランドがエジソンに苦言を呈するシーンがいい

確かにエジソンや上スティングハウス,
そしてJPモルガンの影にあって脇役的存在ではあるが,
良かったと思います

本来はエジソンには
光の部分と闇あるいは影があったのだ。
直流電流のエジソンと
交流電流のウェスティングハウス。
電流論争では交流に軍配が上がったけど、
どちらが幸せだったのかな?

エジソンの意地の悪さ。テスラの真面目さ。実直さ.
テスラの移民としての劣等感をもっとリアルに表現できたら
作品としてもっと,もっと面白かったと思う.

でも家庭で幸せだったエジソン、
一方テスラは孤独な最後を迎える。
極端な二人の生き方を描いて欲しかった。
映画としては、とっても残念な作品。

テスラの孤独な生涯とか、
エジソンの家庭とか背景を知ってから観ると
より深く作品を観ることができると思います。
ウェスティングハウスも
今は、その名がなくなった名門企業だ。
栄枯盛衰・諸行無常を感じます。

もう少しより人間臭く激しく描かれていたら
もっともっと良かった。

エジソンズ・ゲーム(3)

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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