神さまと、そして前夫と約束した…聖地ラサへの巡礼。「巡礼の約束」

巡礼の約束

オススメ度:★★★☆☆
理由:好きな人への思い。叶うことのなかった夢。
それは聖地ラサへの巡礼。親子。嫉妬。
様々な心の動き・変化が見事に表されていて、
思わず泣けた。登場人物は少ない。それだけに思いが募る。
人間関係の一面を垣間見る作品。胸に刺さるものがある。
シンプルでありながら見応えのある作品でした。

チベット東部のギャロン地方が舞台だ。
ギャロンの石造り建築、美しい民族衣装もいい。
何気ない風景がいい。まさに飾らない風景だ。
ギャロンからラサまでの距離はおよそ2000キロ、
巡礼には約1年半かかるらしい。
妻は聖地ラサへの巡礼行く。五体投地。
1日約5kmぐらいしか進まない。
はるか彼方のラサを目指す。

五体投地は「帰依」に通ずる。
心底からラサに敬意を表しているからだ。
先日バンコクに行った時、
地元の人たちは「跪拝」をしていた。
寺院に入っては正座し跪拝をしていた人もいた。

この作品は聖地ラサまでのドキュメントかのように見えて
家族関係、妻からみた夫。子ども。人間関係を描いている。

特に夫の心の動揺に共感できる。
夫の妻への嫉妬。それは前夫への嫉妬。
その感情に共感した。
嫉妬しながら、それでも妻を労う。

再婚した母と一緒に暮らせない息子の怒りと
悲しみにも共感できる。
そしてなんと言っても親子愛、
父子の関係性の変化そのものだ。

そして妻の思いを受け継ぐ子どもと夫。
巡礼行為そのものが輪廻となっていく。

チベットの情景。高僧。
たしかにラサへの巡礼ではありますが、
本作品テーマは親子関係、夫婦関係、家族愛なのだ。
ラストからエンドロールにかけては、
優しさと切なさに胸がつまる。人のことを思う。
自己中ではなくて、他人を思う気持ち。
現実を突き付ける鋭くもあり心温かい素晴らしい作品だ。

夫からみた妻。愛は互いに通ずるものがあるようで微妙だ。
夫の妻への愛は報われるのか、また妻の愛は想いは成就できるのか。
子どもの愛は満たされるのか。旅先で親切にしてくれる人。
関わってくれる人たち。
巡礼者に対する「おもてなし」が心温まる。

この作品で「五体投地」の実態が客観的に見て取れる。
トレッキングのようにポーターのような付添人がつく。
しかし、余りに過酷だからその人たちは途中で逃げてしまう。
手には木の下駄をはめ、革や厚い布の前掛けをする。
額にできる五体投地のタコ。心の変化などだ。

人はどんなに困難な目に遭っても、必ず成長するんだ。

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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