あの3.11 福島第一の事故で奮闘した現場BTG室の切迫感。Fukushima 50

F1_1

オススメ度:★★★☆☆
理由:本作品は個人の捉え方でさまざまかと
思います。
今更観たくないという方もみえるかと思う。
あるいは、確かに見方によっては
福島原発事故を美化しているとか、
歪曲しているとかいった見方もあるかも
知れません。
それでも、内容は、
ほぼNHK放映のドキュメンタリーと
一致している。
客観的に物事を捉えるなら、
NHKドキュメンタリーで
良いかも知れません。

そうではなくて、人としてどうか。
現場の人としてどうか?
という捉え方なんだと思う。
作品を自身で観て感じ取ることが
大事かと思います。
是非劇場で御覧ください。

この作品を観るなら、3.11に。
そう決めてました。
勤務先での14時46分に1分間の黙祷。
あの日のあの時間のことを
あらためて思い出す作品です。
放映される津波の状況。あの水素爆発。
その映像に釘付けになったことを
思い出します。
そして、あの時の米軍の
「トモダチ作戦(Operation Tomodachi)」

あの3.11の地震から2年後に
食道がんで亡くなった吉田所長。

東北での楽しい思い出。
それは封印をしていました。
辛い人をいっぱいみたから余計に…。
思うところがあります。

福島といえば浜通のあんこう鍋。
いわき、湯本温泉、常磐ハワイアン、
石炭・化石館…
私にも思い出がいっぱい、
いっぱいあり過ぎる。
だから余計辛い。

解き放されると、
この3.11以降で、人生が変わった人もいる。
だから観るのは辛い。

ようやく、これから…という人に限って、
なんでこんなことに…。と思っていたから、
あまり自分の中では深く入らないで
客観的に観ることにしよう。
そう思って客観視しようしていました。

門田隆将著
『死の淵を見た男 吉田昌郎と
福島第一原発』 ノンフィクションの
映画化。福島第一原発。
F1の事故発生時にBTG室で対応された
約50名の作業員。
あの未曾有の東日本大震災。そして巨大津波。
津波で原発の電源喪失で冷やす機能を失った、
あの出来事。
あの時の館山(東京本店)と官邸。

この作品で私は、
あの時現場で、与えられた環境の中で、
それぞれができることを必死でやっていく。
その覚悟とか決心とか凄いと感じました。

その思いに共感して、
やっぱり、そこで働く立場の人のことを
思い涙してしまいました。

辛い仕事だと思いつつ、
その使命感に感動してしまいます。

必死とはこういう仕事をいうんだろうと思う。
やれることをする。
また、そんな人達に感謝する。
それしかないように思えてならない。

この作品で描かれている政府の対応も、
まあまあ、当たっている感(菅)がある。
現場で役に立たない偉い人、
実際にそんな人、その感覚の人が
現場に来られたら勘弁してほしいと
思うだろう。

反省するのは、そんな政権を選択したのも、
当時の我々だと思うと、一票の重みを感じるし、
恥ずかしいとも思う。

昨今の新型コロナのマスクや
トイレットペーパ不足のことを鑑みると
個々人の理性や知性を保つことが必要だ。

それにしても自然のパワーというのは
計り知れない。

津波と言っても、せいぜい10mだろう…。

でも実際はそうではなかった。
当時、想定外という言葉が使われていた。
今はレジリエンスが用いられている。

本当に自然は侮れない。
未曾有な災難に立ち向かう人。
何も改善しなくて悔しい。惜しい。
そして腹立たしい。
沈着冷静な対応と献身的な姿にやっぱり
泣けました。

現場にいたら、必至に頑張る姿。
とても共感します。だから泣けるんだ。

F1_2

あの時、原子炉の圧力が低下したのは事実。
でもなぜ下がったのだろうか。
決して所員が頑張ったから
助かったわけではない。
それでも最悪の原子炉爆発に至らなかいよう、
必死に頑張った所員。 使命を忘れずに
全うすることを教えてくれた
作品でもあります。

凄かった。

そして現場の人たちの懸命な努力。
F1の所員。手作業でバルブを開く作業。
操作票は手袋にマジックで操作番号を記載。
切迫感が感じられた。
その姿に心打たれました。

圧力を逃がそうとベントに向かう所員。
中央制御室から撤退のシーンなどは
NHKスペシャルで放映されたシーンを
思い出しました。

F1の#1、#2のBTG当直の伊崎を演じる
佐藤浩市と F1の亡くなった吉田昌郎所長
演ずる渡辺謙。他に、緒形直人、火野正平、
萩原聖人、吉岡里帆はじめ豪華なキャストだ。

あの震災から9年。あの津波がなかったら…
助かった人も、失なうことがなかった人も
一杯居たんだろうな。

変えられない事実。

絶対に忘れてはいけない出来事のひとつだ。
そして、どんなに辛いことがあっても
未来に向かっていくこと。
それが必要なんだ。

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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