映画館に行けない、というよりも
公開延長と閉館では…。
やむを得ず”Amazon Video”で鑑賞しかない。
鑑賞したのは2013年の韓国作品。
「FLU 運命の36時間」
オススメ度:★★★☆☆(3.2)
理由:折しも新型コロナウィルス…。
この作品は、突然巻き起こった感染症の
恐怖を描いている。
新型鳥インフルエンザの猛威。
そのウィルスの拡散を防ぐために町を封鎖。
鬱憤と不満、そして暴徒化した住民。
世界的規模の感染拡大を恐れたアメリカ軍の行動。
まさに、今だからこそ、
警笛のためにも観たい作品です。
作品公開は2013年。
新型コロナが蔓延することのない社会。
今となれば、
あながち間違ってない内容かも知れません。
それでも当時では、その設定とか演出が、
やや誇張や飛躍が有り過ぎる…
とまで言われていました。
しかし、そんな今だからこそ、
それになりに警笛を鳴らすような内容です。
感染症が蔓延すると国民は、
どのような世論を支持するのか。
また政府や行政は、それを聴いて
どんな動きをするのか。
行政区や政府、米国の判断。
基本的人権や倫理観。
様々なことを考えさせられます。
SNSの遮断、電波の操作。
韓国の首相と大統領との
意見の相違。
推測や憶測…
見事なぐらいに当たっている作品です。
今、見るからこそ価値が高い。
本作品はサスペンスにアクションも
そして家族・男女の恋愛とか、
てんこ盛り。
まさに詰め合わせパックに状態です。
飛沫感染で広がっていく恐怖は、
その広がりは対数関数だ。
まさにパンデミックの恐怖。
それに加えて、
人の考え・思考も恐怖だ。
増殖したウィルスを
一掃するという考えに
一層の恐怖さえ感じる。
公と私。公私混同も、
そうした気持ちもわかる。
それも考えさせられる。
それは、
必ずしも「正義感」だけでは進まない。
公正明大とは何か。
それが最適解なのか。
では、最適解とは
誰にとっての最適なのか。
結局は利己的なのか。
人には様々な人が存在する。
感染者が阿鼻叫喚して、
「他の人にも感染させてやる!」
という感情。
そんな犯罪もある現実からすれば、
これも現実味がある。
暴徒化した市民への発砲、
そして武力行使。
一歩間違うと
あり得るだけに
恐怖を感じる。
一部にはステレオタイプの表現とも、
また最後のオチは勧善懲悪の
水戸黄門的作品の仕上がりかとも
見えますが、
それでも、ここまでの仕上がり、
とても良い作品であると思います。
こんな時期だからこそ、
今だからこそ
「アウトブレイク」(1997)
「感染列島」(2009)
「コンティジョン」(2011)
も観よう。
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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