実話に基づく作品で迫力ある映像「アドリフト 41日間の漂流」

アドリフト

オススメ度:★★★☆☆(3.2)
理由:満身創痍,顔面蒼白.孤独.葛藤.
生死何…もかもが集約されている.
普通は実話であればあるほど,
どうしてもドキュメンタリータッチになり,
記録映像になりやすい.
ところが本作品では,
それを巧みに脚本することにより,
ラブストーリを織り交ぜながら
臨場感あふれる迫力ある映像で,
十分愉しめる内容になっている.

1983年に本当にあった洋上遭難の話です.
助かったのは当時24歳の女性.
エンドロールで実物の画像を観るにつけ,
ああ,やっぱり本当にあった話だったんだ!
とあらためて実感した次第.
まさに「アドリフト」=「漂流」.
41日間の漂流だ.

南太平洋タヒチで出会った二人.
やがてタミーとリチャードは恋人同士に.
そんなタヒチで,たまたま富裕層の老夫婦から
アメリカ西海岸サンディエゴまで自分たちの
高級ヨットを運んで欲しい…と.依頼があった.
それを請け負った二人.
その後,こんな目に遭うとは…
思ってもみなかっただろう.

高級ヨットには,
リビング,キッチン.ベッドルーム…何でも揃っている.
まさに二人だけのパラダイス…夢のような日々が続く.

二人はタヒチを出港し,サンディエゴを目指した.
順調な船出も,出船して2週間後に
まさかの展開が彼らに待っていたのだ.
「ハリケーン」
そのハリケーンはレベル4.
ヨットは大破し,操縦不能.
しかも無線も繋がらない.

リチャードは大怪我.
残された僅かな食料,そして水.
周囲は360度水平線しか見えない大海原だ.
その作品の映像の迫力が半端ない.
大波や嵐.思わず観ているこちらが
船酔いしそうになるような迫力だ.
それと,この作品もうひとつの特徴,
それは人間の描き方だ.
単に根性で「決して諦めない」という
単純な精神力だけではない.

心が折れそうになろうとも,
ボキッと折れないしなやかさ.
それは漂流して生死を決めるものは,
肉体よりも精神力だと感じるほど,
心の動きがよく捉えれている.

しかしそんな精神力を持ってしても,
流石に41日とは….揺れ動く心,
そして弱音.自己矛盾.

葛藤の中で生きていくという選択は,
苦痛でしかないかもしれない.
漂流前のタヒチでの二人,そして漂流後の二人.
そのどちらをも,作品の中で織り交ぜて時間軸を
前後変化させて見せていく.
そのタッチが鮮やかである.

最後はどのようにして助かったか….
それは劇場でご覧いただければと思う.

孤独の中にあって,
生きることはまさに無常だと感じた.
周囲に話しかけられる仲間が沢山居るということの
幸せをあらためて感じさせる作品でもある.

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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