まさに現代版・見事な作品「透明人間」

透明人間

オススメ度:★★★★☆(3.9)
理由:何度もリブート・リメイク
されている作品だとは思うけど,
本作品はまさに現代版「透明人間」
恐怖には二通りあると思う.
1つは暴力的に襲われる肉体的恐怖.
2つ目は誰も信じてくれない,
精神的に追い詰められる恐怖.
それは単に心理的に怖い!という恐怖ではない.
誰も自身のことを信じてくれないという
そうした恐怖なのだ.
そしてこのストーリ,まったく見事でした.

透明人間を題材にしたドラマや
アニメは星の数ほどあるように思える.
本作品は原題:The Invisible Man,
米豪合作のホラー映画だ.
映画作品としては1933年にあったらしい.
今回はリブート作品にあたる.
こんな古典的な作品がこんな形で
リブートされるとは….

この作品の表現力,脚本,演技,
あらためて,あの短い時間に凝縮して
完成度の高い作品にするということ.
感心します.

邦題からして,
B級作品のように感じるが,全く違いました.

それもそのはずです.
「セッション」,「ゲット・アウト」,
「ブラック・クランズマン」…のジェイソン・ブラムが
プロデューサー.
監督は 「ソウ」シリーズのリー・ワネル.
それだけに,この作品には手抜きはありません.

心理的に追い込まれる怖さ.
それが単に
お化け屋敷的な怖さではない.
巧妙に仕込まれた恐怖感.
透明人間も現代風で,とても新鮮な作品だ.
絶妙なカメラワーク.
緊張感が半端ない.

天才とキチガイとは紙一重.
愛情と憎しみもまた紙一重.
女性に対するDV.
絶対服従させたい天才科学者.
逃げ出した彼女を執拗以上に責める.
社会問題の一部をホラーにも
結びつけてしまう脚本.

透明人間が襲ってくる恐怖は
単に暴力だけではなく,
精神的にも彼女を追い詰めていく.
誰一人彼女の言うことを
信じないという別の意味の恐怖.
理解者がいない.いや,正確に言えば,
唯一信じてくれそうな人,
そんな人もいなくなってしまう恐怖

精神が病んでいるから,
幻覚や妄想を見てしまうのか.
いや,それとも彼女の言っていることが
本当のことなのか.

ラスト10分が素晴らしいオチです.
これぞ映画.
最後の最後までこの作品の展開が読めず,
一体どうなってしまうのか?
と思ったりもしたが,
そういうオチだったのか!
これは素晴らしいオチで度肝を抜かれました.

予告編も良かったし,
本編も期待を裏切りません.

まるで背後に誰かいるのではないか?
映像空間とカメラワーク.息を抜く時間がない.

ホッコリする作品や社会風刺的な作品とは
一線を画す作品ではありますが,
見たくない,ヤメてほしいという冷や汗.
これもまた映画の醍醐味.これぞエンタメ.
是非御覧ください.

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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