あちこちに仕掛けれた夢や妄想…理解するヒントは何か?「17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン」

17歳のウィーン フロイト教授人生のレッスン1

オススメ度:★★☆☆☆(2.2)
理由:これは明らかに予備知識不足.
あるいは心理学を多少学んで,
フロイトのことを勉強すればよかった.
あの混沌とした時代だからこそ,
ノスタルジックな美しい街,
ウィーンがますます美しくも見える.
その点は理解可能.
でも全体は勉強不足で消化不良でした.
勉強して観れば,
恐らくオススメ度は
高得点になるには違いない.

この作品は原作の小説を多少は知っていないと
面白みが半減するかもしれません.
オーストリアで2012年に出版されたベストセラー.
著者はローベルト・ゼーターラー.
「キオスク はじめて出逢う世界のおはなし-オーストリア編」という小説らしい.

1938年オーストリアはナチスドイツに併合された.
その年の6月にフロイトはロンドンに出国する.
本作品では,その1年前から17歳の青年が
ウィーンで煙草屋で見習いとして働く.
その青年とフロイトとの交流を描いたものである.

夢というのは,
われわれ3次元に住むものにとっては,抽象的で
現実のままでは理解ができない世界でもある.
顕在化された意識の中で,
無意識の世界に描かれる夢とは.
一体何を示唆しているのか.

夢と現実.脳の働き.
願望はやがて妄想へと進展し,
潜在意識の中ではおそらく抽象的な夢へと
続くのだろうか.
夢なのか,これは妄想なのか?いや,
それとも現実なのか.
作品中,映像が飛んでいく….
次元が交差するのは大変興味深い.
夢を見る青年.おそらく願望は深層心理に
現れてくるということかもしれない.

彼の見る抽象的な夢は,
この作品だけでは解説がないと
ちょっと理解できないシロモノだ.
また,彼がフロイトのアドバイスに
従って夢を書き綴ったノート.
これは何の意味があるのか.
これも解説がほしい.
ひょっとして,
原作には描かれているのかもしれません.

現実に起きている出来事,
願望が妄想へ.そして夢.
どれも何らかのつながりがありそうだ.
妄想なら,直接の欲求・直球なので,理解も早い.
しかし抽象的な夢ともなると,
その隠喩がもの凄く深すぎて,
とてもついて行けない.

作品のあちこちに工夫があるのだろうけど,
それを理解するには,
事前に相当勉強をする必要がありそうだ.

謎が多い作品です.
それなりに仕掛けも多い.
夢と妄想,故郷の母親との葉書のやり取り.煙草の香り.
あの性的な描写は,父性と母性の双方を表しているのか.
そこのところも,
多少はフロイトの知識がないと楽しめない.
謎の多い,頭のことについて,勉強したくなった.

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
詳細プロフィールはこちら。