民主主義とは,正義とは何かを考えさせられる作品「パブリック 図書館の奇跡」

パブリック 図書館の奇跡1

オススメ度:★★★☆☆(3.2)
理由:この発想は面白い.
公=パブリックとしての立場,
図書館が大好きという立場,
パブリックとは,
どういうことなのだろうか?
公共の福祉とは….考えさせらる作品だ.

パブリック 図書館の奇跡2

米オハイオ州シンシナティ.
大寒波で行き場を失ったホームレスが図書館に….
どうやらこれは実話ではなさそうだ.

図書館を臨時のシェルターにするしかない….
ホームレスの集団立てこもりという発想は
ありえない話ではない.

私も以前,毎日のように図書館通いをしていた頃,
冷暖房完備環境で新聞・雑誌読み放題なので,
そうした方が来られるのを見かけたことがある.

大寒波の影響で
路上まで凍死者が続出しているにもかかわらず,
市の緊急シェルターは超満杯.

ホームレスのシェルターが
ないという社会的問題.
明らかに不足している状態だ.

だから…
閉館と同時にホームレスの人たちが
図書館を追い出されたら行き場がない.
馴染みのホームレスから,
「我々は,今日は帰らない.ここを占拠する」
と言い出したら….

困ったのは
真面目な図書館職員だ.
人の命の重さ….
公務としての役目.
悩んだ彼の行動は….
勇気ある行動だった.

たった一日だけ,
たった一日だけでいいんだ.
使わせてほしい.
臨時シェルターとして
図書館を使わせてほしい.
そう言われたら…

彼らにとっては緊急事態なのだ.
緊急避難場所としての図書館.

ところが,この平和的な抗議が,
折しも選挙もからみ,
選挙合戦で世論を味方にしたい.

ちょうど今の大統領選を見ているようだ.

事実を捻じ曲げられて,
テロ集団ということにでっち上げられる.
どんどん大騒ぎになっていく.
人気取り,視聴率だけを気にするマスコミ.
友達,同僚,さまざまな人間関係.

ちょうど警官の黒人発砲問題もあり,
人種差別とも重なった.

社会的弱者というのは,
権利や自由は
自らの行動でしか勝ち取ることができないのか.

また,図書館とはどういうところか.
人々に
知識を智慧に変えてくれる,
そんな先人の教えがいっぱい詰まったのが書物だ.
書物には表現の制約もなく,「表現の自由の象徴」
でもあり,それが図書館でもある.

まさに
「図書館は民主主義の最期の砦」なんだ.

社会的な立場.公の立場,
人としての立場,葛藤がよく分かる.
人としてどうすべきなのか.
私ならどうするか?
そこまでは出来ない.
ルールに従うかもしれない.

ラストシーンもユニーク.
勝者も敗者もない,
そんな終わり方がまた,
とてもイカシテます.

どの人も正義で間違ったことを
言っていないところが凄い.
そんな作品の工夫が見られる.

みんな正しいから,
だからこそ面白い.
そしてデモクラシーが
いかに難しいものなのか
考えさせられる.

誰も殺されることもなく,
笑いの中にちょっぴり感動もする…
そんなホッコリ感がたまらない.

パブリック 図書館の奇跡3

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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