モヤモヤ感が半端ない.これが戦争なのかもしれません「この世の果て、数多の終焉」

To The Ends of World

オススメ度:★★★☆☆(3.0)
理由:なんともモヤモヤ感たっぷりの作品.
「戦争の悲惨さ・無意味さ・残虐さ」
戦争というのは,その人の行動すら曖昧にするのか.
何か目標がないと標的なるものがないと
生きる価値がないものなのか.
もっと違った意味の標的を探した方が
人はハッピーになれると感じた.まさに哲学だ.

ベトナムはフランスの植民地.
いわゆる「三・九クーデター」「明号作戦」
(1945年3月9日)太平洋戦争末期,
それまで協力関係にあったフランス領
インドシナ軍を日本軍が攻撃して総督府を掌握,
インドシナ半島を完全な支配下に収めた.

大虐殺の中,屍の中から這い上がり,
生き延びたロベール.
兄夫婦への復讐.義姉は腹を割かれた上,
引きずり出された胎児を胸に縫い付けられた.
そしてそれを見させられた兄は,
斬首された.手を下したのは日本兵.

しかし彼は,
ベトナム解放軍の将校ヴォー・ビンが
日本兵の行動を目の前にして,
笑って黙認したことに,
激しく憎悪と復讐を誓う.

そしてフランス軍部隊に復帰するのだ.
復讐だけに邁進し,我を忘れていく.
まさに狂気の沙汰.
戦争の本当の闇の部分を映像と
心理で描かれている作品だ.

ジャングル奥地で繰り広げられる戦場.
彼にとって安らぎの場になっていた娼婦宿.

戦時下で支配された民が
生き延びるためには,
稼げることをしていくしかない.
憎い敵を相手にしてもなお
生きていくためには必要なのかもしれない.
ベトミンとの闘い.戦う意味は何か.

娼婦宿,そこで惹かれた女性マイ.
好きな人と一緒に居ることが,
憎悪と復讐から救われる唯一の
道ではなかったのか.そう思える.

命令を無視してまで,
復讐に執念をみせるロベール.
人は人によって囚われていく.
自分であって自分でなくなる
瞬間でもある.
この世の地獄.リアルな戦場.
生々しい現実.
あまりに映像がリアルすぎる.
と言って,目を覆いたくなるシーンが
多すぎるわけでもない.
残虐な行為自体はあまりない.
復讐心はあるが,凄く感情的に表に出す
感じではない.
それだけに観客に伝わりにくい.

戦争に行った人の心の変化.気持ち.
モヤっとしたこの重たい雰囲気.
これが戦争の空気なのかもしれません.

凄まじい銃撃戦があるわけではない,
只々生々しいのだ.

結局は,戦争は人が故意に行っていながら,
その意図は,何と戦っているのか
分からないそうした「虚しさ」.
具体的な「戦うべき相手」とは,
誰かが見えているように見えて見えない.
「国」なのかどうか.
そこに「虚しさ」が存在するのだ

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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