よく見ればジョン・トラボルタだった「ファナティック ハリウッドの狂愛者」

ファナティック

オススメ度:★★★☆☆(2.8)
理由:映画作品は,登場人物が少ないほど,
いい作品になりやすい.しかし本作品は
ちょっと脚本がいまひとつ.
おそらく人の描写に焦点をあてたところはいい.
それは人間性をあぶり出すからだ.
本作品も登場人物が少なくて,人の心の変化が
見事に現れている.しかし,それがちょっと薄っぺら.
ゴールデン・ラズベリー賞(ラジー賞)を受賞するだけの
ことはある.先入観かもしれませんが納得です.

ファナティック (1)

映画オタクがストーカに
偏狂していく様が見事!
こうしてエスカレートしていくんだと
思わず見いてしまいました.
ジョン・トラボルタが狂気に満ちた
ストーカを演じた作品である.
人はこうして熱烈ファンから
ストーカへと偏狂していくのか.
執着が人をここまで変えるのか.
あるいは逆に素直さが仇になるのか.

そこには悪意は見られない.
人格否定に繋がるような,
人を傷つける発言.
ショックをとても受け止められない.
そんな気持…
その気持ちは徐々に膨らみ歪んでいく.
その様はある意味滑稽でもある.

運の悪い人は,ますます悪い方向へと
スパイラルしていく.
そんなタイミングの悪さっていうのが
付きまとう人というのはいるのかも,
しれません.

もともとは善良とまでは言わないが,
少なくとも悪い人ではない.
たしかに知的障害か発達障害なのかな?
といった印象を受ける.
でも根っから悪い人間ではない.
心が痛く傷つけらえれて,
観客のこちらまで痛みが伝わってくる.
それが,こうも偏狂へと豹変するのだ.

ごく普通のひとでも,一歩誤り,
それが二歩,三歩と誤り,
負の連鎖が回りだす.

本作品はホラーとは特別なものではなく,
ごく普通の日常の中でも
起こりうるものなのだろう.

ストーカのムース演じるジョン・トラボルタに
そういう意味で,一種の同情を抱いてしまう.
決して,
リアルで若い頃の「サタデーナイト…」を
鑑賞したからではない.
さすが役者だ.

エンドロール10分前が,一番の見どころ.
ショートタイム(ゴールドタイム)だ.
最期のオチもたまらない.

映画の中の役者,それは幻.
だから映画の中のヒーローは,
ヒーローのままでいい.
役者にあった瞬間に,
その憧れが憎しみとか
他に変わることがありえることだ
と思う.だからこそ…
“ヒーローには会うな、会っても境界線は越えるな”なんだ.
それはある意味,境界線を超えないように,
結界を張っておくような場所や時があるのだ.

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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