泣けた,笑えた,最高のエンタメ作品「劇場版「鬼滅の刃」無限列車編」

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オススメ度:★★★★★(4.6)
理由:優しさと強さ.師と仰ぐ人,
仲間,そして鬼の存在.
そんな世界観がこの作品を通じて
感じられる.
強さとは肉体だけのことではない.
人となりも必要だ.
人に優しくなれること.仲間思いで善悪を
はっきり言い切る炭治郎の澄み切った
心の強さに惹かれる.
それでいて,まだまだ未熟なとこをが
自身と投映して作品を通して元気を
もらえるのだ.

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このアニメをNetflixで初めて観た時,
衝撃が走った.漫画の一括まとめ買いを
即刻決めた.

思い通りにならない現実に対して,
それでも生き抜くためにどうしたら
良いかが描かれているように思う.

本作品は音響といい,
アニメーションといい,
完璧な仕上がりで,完成度が高い.
まさに実写感覚の美しい映像だ.
本作品は7巻54話から
8巻66話までの内容だ.
あらためて原作を確認してみた.

原作に色付,アニメーションって
なんと素晴らしいものなのかと
鑑賞して実感できる作品だ.
これを請け負ったアニメ制作会社
ユーフォーは凄い.
特に,煉獄さんの伍ノ型と玖ノ型が,
アニメーションであのように描ける
とは,見事だ.

さて,今回の無限列車の主役の鬼は
弦の壱「魘夢」だ.
この鬼は「夢」を操る.
夢の外側に無意識の領域があるという
設定も面白い.そして,
『人間の原動力は心の精神だ.
人の心は皆同じガラス細工
みたいに脆くて弱い…』と,
その鬼は語っていたが,実はそれは
違っているように思う.皆同じでは
ないように思えてならない.

構造は同じかもしれないが,
すべての人が脆くて弱いわけでは
無いように思えてならないのだ.

心はバランス.

それぞれ違った型が
あるように感じた.

次に煉獄さんと戦った鬼,
上弦の参「猗窩座」だ.
彼は強い.「弱虫を見ると虫酸が走る.」と.
彼のように,戦いと強さに生きる価値を
見出している鬼もある.

煉獄さんが鬼から「鬼にならないか」と
誘いを受けた時,もちろん断った.
さらに煉獄さんが
「老いるからこそ堪らなく愛おしく尊い.」
のだと,
そして「強さというのは肉体に
対してのみ使う言葉ではない.」
と語った.
その澄み切った言葉に共感した.
そして炭治郎に対しても
「この少年は弱くはない侮辱するな.」
とも.そんな強くて優しい煉獄さん.

煉獄さんの母上が病床で言った
言葉も印象的だ.
「強く生まれたのは弱き人を
助けるためだ」と.「それが責務.」
煉獄さんは強くて優しい所以は,
母のこの言葉,包容にあると思う.

炭治郎が逃げる猗窩座に
「逃げるな馬鹿野郎.卑怯者!!」
と.そのシーンでは,本当に泣けた.
「悔しいな.何か一つできるように
なっても,また一つ分厚い壁が
あるんだ.」と炭治郎が嘆くと,
空かさず伊之助が
「弱気なことをいってんじゃねー.
それに応えること以外考える
んじゃねー」このシーンも印象深い.
仲間って本当にいいものだ.

「鬼滅の刃」とは理不尽がまかり
通る世の中にあって,
変えられないから仕方のないこと
ではなく,そんな無常な世界でも,
葛藤しながら,悔しい思いをしながら,
仲間とともに成長する.そんな物語だ.

わがままな,結核の青年.
自分だけが不幸だと思っている青年.
そんな彼は夢の世界に逃避しようとする.
その彼が炭治郎の無意識の世界で
改心していく様

鍛錬を繰り返し,もっと強くなりたいと
極めると,永久の命,肉体を求めたくないか.
猗窩座の誘いに鬼になるのか
鬼滅になるのか.その選択はほんの少しの
差でしかないようにも思える.

自己効力感だ.

自分を信じることができるか,
他人を信じるか,なのかもしれません.

経験を積むたびに,強くなるための
課題が次々と生まれてくる.
強くなるためには近道がないし,
長いのは当たり前なのだ.

それをつい忘れてしまう.
まさに人は経験を通じて学び反省し,
独自の型を創っていくものだ.
守破離の鉄則でもあろう.

煉獄さんに託された炭治郎たちは
後に繋ぐ使命があるのだ.
次回のアニメ化が楽しみだ.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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