6歳の息子からのケータイ,それが最後の会話になった「おもかげ」

おもかげ

オススメ度:★★★☆☆(2.8)
理由:冒頭の切羽詰まったシーンが
凄く惹き込まれる.
あの臨場感.
電話のやりとりだけなのに.

亡くなった息子の面影.
親子愛と男女愛の感情.
心の動き.気持ちは判るが,
そこまでは踏み込めないような
気がした.考えさせられる一作.

最初,冒頭の20分の
この電話のやりとりが凄い.
元々このシーンが短編映画
として評価されたものだという.

離婚した夫との間には
10年前まで息子がいた.
しかし…今はいない.

当時6歳になったばかりの息子.
元夫と旅行中に海辺で迷子になり,
消息たった.

息子はその時,エレナに
ケータイで助けを求めてきた.
「パパが戻ってこない」…と.
ケータイのやりとりが緊迫感を誘う.
これが最後のメッセージになった.

我が子を亡くした失意の中,
10年が経た.
そんな彼女が今は
海辺のレストランで働いている.
そこに息子の「おもかげ」を
持った少年ジャンと知り合う.

彼女はいくつだろう?

少年が16歳なのだから,
おそらくアラフォーなのだろう.

ジャンもエレナを慕っている.
頻繁に店に訪れれば,噂にもなる.
息子を失ったエレナは,
本当にその少年が好きなのか.
ただ「おもかげ」を求めているのか.
真っ暗闇の中の光になるのか,
あるいは辛い過去を再び
大きくさせる禁断の…なのか.
心の揺らぎ,感情的になる時,
それは激しい感情.

我を忘れる暴走とも
呼ぶべき行動へ.
そして母性なのか
大きな穏やかな心.
微妙な心の動き.
その複雑な動きは,
観客に何か
訴えているようだ.

親子の愛と男女の愛.
表裏一体で何がなんだか
わからなくなる.

そうだ.

おそらく心が恋愛で
壊れるのだ.
おかしくなるのだと.

親子の愛はいつしか
恋愛に変化するのか.
40でも,16歳の少年に
性を感じるのか.

そしてバックの海岸.
美しい色彩鮮やかな景色,
海岸というのは絵になる.
情景は変わらないのに,
時に悲しみ,時に喜びへと
背景を創っていく.
実に人の心の動きとは
微妙だ.

好きを我慢しない…

やりたいことを
後悔しないように行動すると,
エレナのような行動になる
のかもしれない.

本当に本気.
本気だからこそ一線を
超えるのか.
越えようとするのか.

10年を経ても,
諦めきれない想い,

空虚

時がそうした感情を
包み込んでくれるとは,
一体どれくらいの時が
必要なのだろうか.

好きな想いとは,
何年経ても,忘れずに
変わらないのかもしれない.

周りは彼女を信じて,
立ち直るのを見守るしか
できない.

時が解決するとこは…
果たして本当にあるのだろうか.

中には決して許されない
行動をも起すことも,
過ちもあるかもしれない.
犯罪とは紙一重.
パワハラもセクハラも
紙一重と考えれば,
いかにそうした感情を
押さえる理性なるものを
備えているかだ.

彼女は異常なのだろうか.
駄目な女なのか.
誰しも持っている心.

この動きが
実によく
描かれている作品だ.

投稿者プロフィール

天雨 徹
天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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