オススメ度:★★★★☆(3.8)
理由:本当の友達,そして恋人,
かけがいのない家族.
人とのつながり.
この作品を通じて,
本当に人を「幸せ」にするものは,
「モノ」ではない.
「お金」でもない.
やっぱり「人」だ.
だから,「人」をないがしろにしない.
「人」を大切にする.
あらためて,
そう感じさせてくれる作品だ.
この作品,コメディタッチで面白い.
まさにエンタメだ.
笑ったり,時には泣いたりできる.
特にラストは
滑稽で笑える,しかも泣ける.
素敵な終わり方だった.
本作品の原作は
フィンランド映画
「365日のシンプルライフ」
実際に実験生活を送った
ドキュメンタリー作品だ.
本作品は,
それをレビューした形.
欲しいモノがいつでも
ネットで購入できる時代.
便利が当たり前の時代.
そんな中にあって,
あえてモノから遠ざかって
見つめ直す.
言わば人間の本来の姿を
取り戻すということにある.
しかし,そんな中に
ありながら,
「モノ」を持つことを
否定しているわけではない.
そこにこの作品の
良さがある.
すべての持ち物を
リセットする.
すべての家財道具を
倉庫に預ける.
文字通り裸一貫からの
スタートだ.
ルールは
1日に1つずつ
必要なモノを
取り戻していくという
ゲーム.
スマホ依存症の現代社会.
何でもスマホで
欲しいモノは買える.
お金ですら
スマホ決済なんだから.
ホント便利な社会だ.
しかし便利だからといって
本当は幸せとは限らない.
そして,
時間も便利になれば
余裕ができるかと思えば,
そうでもない.
むしろ不便さの中に
時間的余裕が
ある気がする.
人は他人をうらやむ.
お金持ちになりたい.
幸福になるには
お金が必要だと
思ってしまう.
多くのモノがあると,
便利で豊かな生活ができる.
そして,
自分もモノにできる.
私物の固執してしまう.
だから,
そのためにはお金が必要だ,
お金持ちになれば,
食べるものに困らない.
そして社会的地位を求める.
いわゆるマズローの欲求段階説だ.
「生理的欲求」
「社会的欲求」
「承認欲求」だ.
「豊かなこと」と,
「幸せなこと」は
似て非なるものなのかもしれません.
誰しも持つコンプレックス.
その内容よりも,
コンプレックスと思うことに
共感できる部分が多い.
結局.
人は自分に
足りないものに目がつき,
その人は
気にしていないことが
気になるものだ.
ユダヤ人が,
逃げ出す際に,
手荷物を最小にしたという.
あの,おばあちゃんの
トランクの中身.
本当に必要なのは
思い出なのかもしれません.
それに気が付かせてくれる
作品です.
出会いは
人だけではなく,
本や映画も,
そのひとつなんだと思う.
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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