「大切なのは目的だ!」ようやく観られた三浦春馬の「天外者」

オススメ度:★★★★☆(3.8)
理由:三浦春馬が演ずる五代友厚,
西川貴教の岩崎弥太郎,森永悠希の伊藤博文,
三浦翔平の坂本龍馬,
とにかくキャストが素晴らしい.
拙速な脚本をカバーする迫真の演技.
ラストの特典映像が
彼,三浦春馬と五代友厚と重なり
「人生の目的」とは何か?を感じさせる.

大阪商法会議所で大声を上げる五代.
「地位か名誉か金か、いや、大切なのは目的だ」と.
その目的からすれば,
三浦春馬の死は
あまりにも早すぎる.

幕末から明治維新で活躍した
薩摩藩士で大阪経済界の
重鎮・実業家の五代友厚.
その生き様を描いた作品.
とは言っても,すでに朝ドラの
「あさが来た」を観た人は
あの”五代さま”で
知っているかも….

そうです.商都・大阪を作った男
としてディーン・フジオカが
演じたあの”五代さま”です.

本作は彼の半生を外観する
ダイジェスト版として
観るには良いかもしれません.

冒頭,いきなり追手から逃れる五代.
どこのシーンなんだろう?
Umm長崎?グラバー?
ちょっと戸惑った.

生麦事件を起点とした薩英戦争.
そこでイギリスの捕虜に
なったことが,幕吏や攘夷派から
命を狙われることに….
武士ならば「潔く腹を切れ!」
ということだったのだろう.

追手から逃れるシーンから始まる.

長崎での潜伏.グラバー,坂本龍馬,
岩崎弥太郎,伊藤博文との出会い.
その触れ合いも描かれている.
薩摩藩遣英使節団として英国に出発.
明治新政府の官職では詳細に触れては
いないが,その後民に下ったところは
描かれていた.

ウィキでは糖尿病が死因と記されるも,
本作では結核のように描かれていた.

それにしても49歳とは
若過ぎる死である.

兄が鎖国論者で.彼は開国論者の立場
だったらしい.
また,高杉晋作とも上海で
出会ったらしいが,
そのところも描かれていなかった.

展開が小生には,
少し早過ぎて,
ちょっと置いていかれました.

あの遊女とのフィクションは
あんなに時間を割く必要は
無いように思えた.
全体に歴史的な説明が
少し不足していたような気もします.

島津斉彬から久光に藩主が
変わっているところ…とか,
イギリスに捕虜となり薩摩から
横浜へ移送されたところ.
維新後の不況.
資金不足や不公平な条約など.

プライベートでは五代友厚は
二回結婚している点とか
唐突に豊子と出会うシーンとか.
次々と画面が変わっていく点が残念.

彼が才助と言われる程賢くて,
藩主により命名されたぐらいであり,
彼の「上申書」にも触れて欲しかった.
龍馬の「船中八策」は
あまりに有名だが,
ここで五代の「五代才助上申書」
について軽く触れてみたい.

ウィキから引用すると,
(1)米・海産物などを上海に輸出しこれによって利益を得よ.
(2)その利益で、製糖機械を購入し砂糖を製造、販売して収益を得よ.
(3)砂糖輸出で得た収益で留学生を派遣そして同行する視察員が軍艦・大砲・小銃・紡績機械を買い付けること.
(4)貿易だけでなく学校・病院・化学・印刷・鉄道・電話設備など産業革命の技術を学ぶこと.

いずれも
先見の目がある内容
だと思う.

しかし,
限られた2時間で描くには
ちょっと時間が足りずに
難しいかもしれません.
歴史的事件,時間軸が少し
ツイテイケナイ.
拙速さが目立ち,
少し無理があったようにも
思えます.

とはいえ,五代友厚が,
とても魅力的で多くの人々を
惹き付ける人間であったことは,
あの三浦春馬の熱演でわかる.

絶体絶命,劣勢にいながら,
諦めない姿勢.
今の時代求められる人財だ.

ラストに加えられた特典映像.
映画メイキングで三浦春馬の
優しさが五代友厚と重なり泣けた.

熱い三浦春馬の演技が生かさせるような….
是非,次は大河ドラマで五代友厚を観たい.

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」
ブログでは日々の気づきを中心に書いている。
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