見事に期待に反してハマって号泣「ラーヤと龍の王国」

ラーヤ

オススメ度:★★★★☆(4.2)
理由:子ども向けなのか.
字幕での上映が少ない.
やむなく吹き替えで鑑賞.
とても今関心のある「龍」に
まつわる世界だけに,
どうしても見たかった作品だった.
正直あまり期待していなかったが,
予想以上の仕上がり.
ディズニー定番の
泣いて笑って心温まる
ストーリーの展開.

ディズニーのオリジナルアニメ作品
そして新作短編「ダンスファンタジー!」の
オマケ付き.
冒頭,これが流れたときは,
スクリーンを間違えたか…と
思わず思ってしまった.
この短編も人生折返を過ぎて
7回表のぐらい私には,グッときた.

「Disney+」で配信の関連での
補償とかの問題で,
全興連からの締め出しを受け,
劇場での公開が小規模で
制限されてはいたが,
何とか劇場で観ることができ,
良かった.

架空の物語ではあるらしいが,
どことなく実際に古代に
あったような物語だ.

Wikiによれば
ヴェトナムなど東南アジアの
文化からインスピレーションを
得たとしているが,
私はここは台湾ではないか?
と思える.
台湾の「青龍嶺」をイメージして
しまう.

陰と陽.自国のみの平和,
民族主義に走るか.
統一した平和に走るのか.
「厄」というのは,
ある意味浄化を意味するのか.
ノアの箱舟とか,
様々なことが頭をよぎる.

互いに信頼できれば
平和は保たれる.
憎しみ合えば戦いになる.
「赦す」ということは
必ずしも相手を許すことではなくて,
自分自身の問題なのかもしれない.

ドルーンという…
人々を石にしてしまう不穏なもの.
煙なのか細菌なのか.
そんな生命体が
500年後に再び現れた.
それは
「新型コロナウイルス感染症(COVID19)」
とダブっていている.いかにも巨視的だ.

信じよう…と,
こちらから手を差し伸べても
逆に
いわゆる「恩を仇で返す」,
人に裏切られた悲しみは
やがて憎しみに増大する.
しかしそれは実は「独り善がり」で
自我でもありエゴかもしれない.
理不尽な世界はまかり通る.
でも信じるしかない.
正直者が馬鹿を観ても,
それでもなお,
それを誰かがやり続けるしかない.
信じるとはそういうことで,
「神がかり」でもある

だからこそ
龍の神秘的な力には
相当の魅力があるのだ.

「最後の龍」のシスー・ダトゥ.
一般的な龍のイメージからは
相当違ってお茶目で可愛い龍.
「龍の石」どことなくありそうで,
神秘的でワクワクする.
まさにドラゴンボール….

ラーヤとナマーリは互いに憎しみ合う.

実にシンプルが故,だから難しい問題だ.
もう少し長くても良いかもと思える宇宙概念.

人は本当に何度も裏切らても,
それでもバカ正直に信じきれるか.
早々簡単なことではない.
だから,傷つき傷つけ争う.
暴力が止むことはない.
育った環境,親や大人からの刷り込み.
古い風習.
すべてが間違っているわけではなく,
一部は参考に一部は改変して
自分なりの咀嚼が必要なんだ.

やられる前にやり返す的発想は,
まさに裏切られる前に
叩いておくとした発想だ,

人は様々な考えの持ち主がいる.
全体のためには戦いや
犠牲が必要なのかもしれない.
話し合いでわかるのか.
憎しみは消えないのか.
「進撃の巨人」とも重なる.

無慈悲な行動も必要だと
考えている計算高い指導者も
世界には多い.
一見無愛想で凶暴に見える人が
実は見た目と違って
いい人だったりもする.
民族も人種も様々で
世界中にいる.
その世界が
凝縮されている作品でもある.

人は環境,
人の教えが大きいかもしれない.
そういう意味では親の存在,
親がどのように子と接するかが
大きな影響を及ぼす.
自ら生きるにはどうするか,
それが根本にあろう.

疑心暗鬼で疑えばキリがない.
団結もカリスマ.不協和音になる.
傷つけたくないが,
相手が傷つけるなら
断固戦うという思想の奥深さ.

洗練されたアニメション.
アニメもここまでくれば,
作品によっては
実写よりもそのまま,
原作漫画をアニメにした方が
ずっといい作品も
今後,ますます多くなるだろう.

#ラーヤと龍の王国

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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