見たことある地元の風景にほっこり『ゾッキ』

オススメ度:★★☆☆☆(2.0)
理由:序盤は全く繋がらない.
ちょっと退屈してしまった.
秘密?待てよ.
後半は,自分の昔の思い出に,
思わず「ある…ある…」
「わかる…わかる…」と
共感する自分がいた.

そうした部分が
後半に用意されている.
序盤に我慢して
観なければならないのは
ちょっと残念.
決していい印象を与えない
ものだ.
ホッコリ感をどう活かすか.
これも映画の醍醐味なんだろう.

確かに
「生き物というものは
秘密がなくなると
死ぬんじゃないだろうか」

というフレーズ

ようやくエンドロールで
結びついた.

それは,
そうかもしれない.
忘れかけていた秘密.

一見起きる出来事は
バラバラのように
見える.
しかし,
そのひとつひとつは
バラバラでも
ユングの集合的無意識の
世界では皆が
繋がっている.

秘密とは結局
何処かで
個人が集団と
繋がっている.
そして時空も
超えている…
そんなものかも
しれません.

風景は地元愛知で,
見たことあるところ.
懐かしいし,
ほっこりする.

妙に懐かしい.
雰囲気はいい.
一般に映画上映時間は
約2時間程度で
短く感じられる.
しかし本作は
長く感じられた.
それだけに
退屈感が歪めない.

でも役者は凄い.
やはり演技.
怪しげな青年役の松田龍平,
そして親分肌の
國村隼の演技は光る.

本作は,複数の短編を
抜粋・再構成した
コメディのジャンルらしい.
それだけに
継ぎ接ぎ感たっぷりの
作品だ.

大橋裕之の短編漫画集
「ゾッキA」「ゾッキB」を
オムニバスでなくて,
8エピソードを紡ぐという.

ちょっとした冒険だ.

前半は退屈で
寝てしまいそうな内容.
ところが後半に挽回.
やっと繋がってきた.

エンドロールまでの
30分は楽しめた.
あまり感受性が
高くないのか,
時間を掛けて
観るような作品ではないと
正直思った.

作った側は
満足感が合ったと思うが,
受け手はそれほどでもない.
手作り感たっぷりではあるが
「カメ止め」に比べたら
一貫性も完成度も全く違う.
これが映画の醍醐味でもあり
難しさでもある.

しかしそれでも
共感した部分もあった.
幼い頃,
道端に落ちていた
エロ本を拾って
ドキドキしたこと,

そして畑の果物を盗んだこと.
思わず昔のことが
蘇り苦笑いしてしまった.

昔好きだった人のこと.
学校で出た幽霊.
なんだか昔,
そんな思い出が
あったようにも思う.

実在しない
でっち上げの「姉」

小さな嘘が次第に
大きくなっていく.
そんな恐怖に似た感覚.
ちょっとしたいたずら
心や虚栄心からくる
嘘の自慢話.

そう考えると,
エピソード
ひとつひとつは面白い.
それを
どう脚本して
構成していくか.
手腕が問われる作品だ.

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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