アクションも心の動きも完璧「るろうに剣心 最終章 The Final」

るろうに剣心

オススメ度:★★★☆(4.4)
理由:アクションシーンも大満足.
複雑な心の描写.そして何と言っても
「不殺の誓い」の奥の深さ.
伏線の回収と次なる伏線を用意している
ような予感もあり,脚本が旨すぎる.
副音声で,もう一度観たい.

愛する者たちを守り抜く「信念」
対して,
愛する者を奪われた「憎悪」と「復讐」
信じている「正義」は個々に違う.
人それぞれに「正義」と善と悪がある.
人は生きるために,目的がある.

「信念」というのは他人の意見を
もはや聞き入れる耳を持たない.
互いにぶつかり合い,
徹底して勝敗が着くまで戦うのだ.
そうして深めていくものかもしれない.

「るろうに剣心シリーズ」の第4作目.
でも5作目をあるので安堵.
今から『「るろうに剣心 最終章 The Beginning」を
愉しみにしている.

1作目は2012年「るろうに剣心」,
そして2作目は2014年「るろうに剣心 京都大火災」
3作目が2014年「るろうに剣心 伝説の最期編」
それらを直前にもう一度Netflixで
復習してからの鑑賞.

すでに伏線は前作から用意されていた
ということ,それにしても素晴らしい脚本だ.
抜刀斎に惨殺された京都所司代の護衛を
していた新婚さんの武士.
その妻を有村架純が演ずる.
雪代巴だ.もちろん夫を殺されたのだから,
妻も抜刀斎を憎んでいた.
如何に復習を成し遂げるか.
それだけが生きがいに….
敵を騙すには,そのためには
抜刀斎の懐に飛び込むしかない.
でもその抜刀斎の懐に飛び込んで
いくうちに,抜刀斎の深い闇を
知ったのだろう.
やがてそれは愛に変化してく.
好きな夫を殺されながら,
殺した抜刀斎を好きになってしまう
気持ちは亡き夫への裏切りにも
なるだろう.だから,
その気持というのは,
とても複雑ではあるが,
愚直に素直すぎて美しい.

そんな巴も結局は
抜刀斎の犠牲になってしまった.
だからこそ,
その姉を…
心底慕っていた姉を殺された弟は
その復讐へと走っていく.
大好きだった姉の巴.
新田真剣佑が演じる弟の雪代縁.
彼が抜刀斎への復讐を誓うのだ.

青少年の頃に受傷した心の傷.
このダークな気持ちは,
どんどん自身の中で膨らんでいく.
STAR WARSの
アナキン・スカイウォーカー,
所謂ダース・ベイダーになっていく
気持ちも分からなくもない.
あそこまで徹底するのは,
相当悩んだ,
いや歪んだ辛い人生だったんだろう.
それがまた,半端なくて,
むしろ恨むことで,反骨精神
「生きがい」になったのではないか.

好きな姉が殺されて….
でも姉の気持ちを考えると
赦す気持ちを持たないと
本人が救われない.

優しかった姉が殺されたこと….
確かに自分には姉を殺した
憎い気持ちはある.
でも本当はそれすら赦せる気持ちも
無意識の中にあったのか?
だから,そんな自分の気持ちを
逆に赦せず,自分がそんな甘いことを
想うことも赦せない絶対に.

だからそれは他の相手,
薫や剣心が持っているものと
決めつけているのではないか.

そして,心のなかで矛盾?というか,
いや心が歪んでしまっている,
修復できないほどに.
それは迷いUmm…
葛藤もあったんだろう.

本人こそが「痛み」よりも
「苦しみ」を十分味わったので,
抜刀斎にも同じ気持ちを
味わってほしいと願うのだろう.

剣心はいつも自分の過去と
対峙する人生.
それは悲しい宿命でもありそうだ.

罪のない人を数多く惨殺した
その償いは,生きることで,
耐えることで,苦しむことで
償っていくものなのかもしれない.

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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