全ての駒が揃い伏線の回収ができた『るろうに剣心 最終章 The Beginning』

るろうに5作目

オススメ度:★★★★☆(4.0)
理由:やはり剣心シリーズは
アクションだけでなく,
空虚という虚しさ,優しさ,
悲しさなどを感じる.
最終章「The Final」に続けて
鑑賞して感慨深いものがある.
るろうに剣心シリーズ5番目
ファイナル映画化10年間の大成だ.

剣心が人斬り抜刀斎であった頃,
雪代巴の許嫁を斬った後に
その彼女との出会いから,
抜刀斎が剣心となるまでを描く.

それが1作目の
序盤の伏見の戦いへと通ずる.
余りにカッコ良すぎる佐藤健.
そして美しすぎる有村架純.
そして彼の十文字の
顔の傷の意味がわかる.

「逆刃刀」を腰に刺し
「不殺の誓い」をたてた剣心.
抜刀斎から剣心として生きる.
一切笑いが消え,
これまでの剣心ではなく,
飛天御剣流の使い手としての
殺気と深い悲しみの
幕末にタイムスリップ.

それにしても映像が鮮やか.
雪が降る場面,家が燃える場面.
どれも美しい.
派手なアクションシーンが
少ないので
物足なりさもありますが,
これは目をつぶるって
もんでしょう.

そして,
確かに世を変えるため
とはいえ,佐幕派の暗殺を
繰り返す抜刀斎が,
真に不殺の誓いを
掛けられるのか?
そうしたそもそも…
という疑問もあるでしょう.
どういった精神を
もっていたのか.
そしてその深層心理状態は
如何ほどのものだったのか.

切ない恋愛模様が中心.
それがしっかりと
描かれている.
秘められた切なさ哀愁.
美しい.
それ故,なぜ雪代巴の
弟の縁が憎しみを
抱いていたかが良く分かる.
「The Final」を
もう一度観たくなる.
そしてもう一度,
実写版を
第一作目から見たくなる.

鑑賞後,
先日アニメ版の
『るのうに剣心-明治剣客浪漫譚-星霜編』上下巻も観て,本作の剣心シリーズの奥深さが少しだけわかった気がします.
あらためて原作も
凄いことに
今更ながら
気が付かされました.
あの緋村剣心の十字傷の謎.
その傷に秘められた
深い悲しみと空虚,
表裏一体の感情.
そして人とは
人の人生とは
もがいても苦しんでも
やっぱりどこか
儚いような気がする.

最初は許嫁を惨殺され,
復讐のために抜刀斎に
近づいた
巴だったのだが….
そんな仇相手に
恋を抱くとは.
男女の中は計り知れない.

人斬りで多くの人の命を
奪った贖罪,
そんな人は
他人を愛する資格など
ないはずなのに,
人を心から愛して
しまった人の
想いを背負う.

と同時に,
殺人鬼として
いいように使われた同胞.
そんな悲しい人を
生み出さない世の中とは.
それが明治維新なのか.
その後も富国強兵で
平和は保たれることはない.

「The Final」と
「The Beginning」
始まりは終わりであり,終わりもまた始まりなのだ.

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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