伏線が思いもつかない形で見事に回収された「シドニアの騎士 あいつむぐほし」

シドニアの騎士

オススメ度:★★★★★(4.7)
理由:これはハマる.
もっと早くから見ていれば
間違いなくもう一度鑑賞した作品に違いない.
それが悔やまれる.
不覚にも定番の
SF+アクション+ラブストーリの
王道で泣けてしまった.
「絶対に劇場で観ないと損するよ「
という意見に納得.
確かに観なかったら後悔する.
お互いに自分を犠牲にしてまでも
相手を守ろうとする姿は「尊い」.
壮大な,いや,
複雑な世界観を見事に創り上げた感性.
思わず原作を大人買いしたくなる作品.

TV放映.もう5,6年も前になるのか!
TVアニメでは消化不良だったが
ここにきてスッキリ.音響も映像も良かった.

未知の生命体「ガウナ」と人類との激闘.
滅ぼされた地球.人類が逃れた宇宙船「シドニア」.
対話不可能な敵.ちからの行使をする艦長の小林.

本作は宇宙船「シドニア」での
独自の人間社会の進化の過程が面白い.

住む場所に応じて格差が生じていること.
地下と地上の社会.
ちょうど先般観た「JUNK HEAD」
https://ama3.jp/archives/3726
の高層社会と地下社会の構造によく似ている.
現実にも都会と農村で住民IDを
持つという隣国国家もある.

そして人の食欲というのは
無駄にも思える.
食することから解放された人間は
植物が持つ光合成の技術を取得する
という設定.
その際は全裸にならなければできない.
考えてみれば素の身体で
あればこその光合成,
これも納得,凄い発想だ.

異文化,異星人とは
分かち合えないという立場と
話せばわかるのではないか?とする立場.

これまでの生物体とは全くことなる.
これはもはや異星人というよりも異生物体.
それでも話し合えるものなのか.
あれはもしかしたら,
ガウナ(奇居子)は「神」だったのではないか.

公的から民間へ.
企業に委託研究を進めていく風潮.

行政の決定権限.不老不死.
恋愛,葛藤,競争心,
科学者の心理への追求心.
人々の心の動き,不戦・武装放棄の思想…
この設定や世界観に共感を覚える.
よくよく考えてある作品だと思う.

リーダーシップ,
マネージメントをするには,
私情を殺して帝王学の立場から,
その場面の一瞬一瞬を判断することが
必要とされる.
だからその判断には
微笑みは必要ないとし,
仮面と身に付ける小林艦長.
そこには人の命は地球より
決して重くはなく,
多少の犠牲をもってしても
全体が助かるなら即行動するということ.
それが求められている.
客観的に判断する小林.

それでいて,
潜在意識の中には
どことなく優しさがある.

対人魅力は容姿から
惹かれることが多いはずであるが,
そうではなく,心,魂が震える.
結局は精神なのだ.
肉体が離れても,
精神で恋愛は可能なのか?
魂が喜ぶところから
惚れるということ,
人間ではない生物に恋をする.
それは魂が恋をするといことかも
しれない.
人は肉体から離れたところに
あるのか.
それは,そういうことなのか?
わかりやすく描かれている.
素晴らしい作品に出会った.

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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