オススメ度:★★★☆☆(3.4)
理由:確かにあの美しい映像,
それにあの歌声に惹き込まれる.
仮想現実の世界.近未来の
パラレルワールドを彷彿とさせる
『未来のミライ』があまりパッと
しなかったので,大して期待して
なかったが,確かにこれは
「サマーウォーズ」以来の
見どころある作品に違いない.
特に後半30分は良かった.
舞台は土佐高知.女子高生の
ソバカスのすず.
夏のキャンプで母を事故で
亡くした後,
父子家庭となったすず.
その事故以来,
本当は母と一緒に
歌うことが大好きだったのに,
以来,好きな歌を歌えなくなったようだ.
でも作曲だけはできる.
だから彼女はSNSの世界へ,
仮想世界で夢を馳せる.
それが(ユー)なのだ.
(ユー)の世界でのアバターは
(アズ)と呼ばれている.
すずの(アズ)名はベル.
そこで歌を歌っている.
次第に歌姫として世界中から
注目を集めるベル.
そんな彼女が大きな舞台で
歌うことになったとき,
突然「竜」が現れ邪魔をする.
なぜそんな竜が彼女の
邪魔をするのか.
それは卑屈な心,
おおきな心の傷が
竜にはあるからだった.
竜によって傷つけれた
(アズ)は,
どうなってしまうのか.
竜が暴れることで,
確かにコンサートは
台無しになったが,
それによる損失,
誰かが不利益に
なるのだろうか?
言葉を紡ぐか表現で
描くかしないと
説明不足かもしれません.
もう少し掘り下げて
もらった方が
良かったかもしれません.
あんなに普段は
冴えない土佐の
田舎の女子高生.
仮想空間というのは,
はあくまで仮想.
「なりたい自分」が
現実で叶わないからと
いって仮想に求めると
いうことなのか?
いや違う!
実は仮想空間においても
YouTuberもいる.
稼ぐこともできる.
仮想現実が舞台と言えども,
それでも現実なのだ.
仮想でも稼げる現実がある.
完全なイマジナリーではないのだ.
確かに脚本は少し粗い.
もう少し多くの複雑な社会を
描かれたらもっと
良くなったようにも思える.
SNSには様々な人がいる.
虐待された子どもたちも
居るかもしれない.
引き篭もりの人たちも
居るかもしれない.
現実からの逃げ場として
存在しているかもしれない.
母親を亡くした悲しみ.
父親への不信,
実はそれは,ひょっとしたら自我,
エゴ.周囲の優しさに自身が
気づいていなかったかもしれない.
無理無理無理….
そんな彼女も仮想現実の世界で
竜への優しさ,
他人への思いやりを
与えることで,
逆に周囲の愛情に
気づくのかもしれない.
母親が自らを犠牲にしてまで
人に尽くしたこと.
そんな母親の優しさに
亡くなってもなお,
触れることになる.
過去は過去でありながら,
やはり現在にもそして
未来にも影響を及ぼす.
少し粗いところあったものの,
十分メッセージ性もあり,
音楽や映像は美しく
見応えがあった.
投稿者プロフィール
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人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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