決して明るくはない生活,真逆のダンスと歌が複雑…「イン・ザ・ハイツ」

イン・ザ・ハイツ

オススメ度:★★★☆☆(3.4)
理由:生まれながらどうしても
変えられない肌の色・人種差別,
貧困や階級社会.
何かあればすぐにも
疑われるのは外国人.
アメリカンドリームと言いながら,
それを掴めるのはほんの一握りだ.
理不尽極まりない社会に向けて,
どう自分が接するか.
その腹立たしい気持ちをぶつける
はけ口をどこに求めるのか.
不法移民,移民問題は奥深い.
それでも前を向いて進むしかない.
重苦しい中でのミュージカルが
しっくりこない.
やはり,本物の舞台の
ミュージカルが見たい.

ミュージカル映画,
原作はブロードウェイミュージカル.
ここはアメリカ・ニューヨーク.
なんの取り柄のない移民青年が主人公.
カリブ海に浮かぶ島国プエルトリコ.
亡き父の国に帰ることを夢見る青年.
憧れの彼女に告白すらできずにいる.
そのまどろっこしい青年にイライラする.

そして移民ということで
大学で疑われる妹.
デザイナーを夢見ている女性.
こんな環境の中でも
たくましく生きていくしかない.
それは決して簡単なことではない.
きもちだけではパンは食えない
現実に直面すると挫折したくなる.
現実逃避は薬物に走ることもあろう.
ダークの道への誘い.
陰と陽の境目で生きるとは
そういうことかもしれない.
環境や人種差別は
一見途絶えたように見えて
実は根強くて深刻だ.

移民でスタンフォード大学に
進学した彼女.
街の希望の女神でもある.
しかしながら彼女自身も
差別されて挫折しそうになっている.

その人にとって今何が
自身の人生で大切なものなのか.
それを選択する必要がありそうだ.

ワシントンハイツは移民の街.

貧しくとも歌とダンスは,
お金はかからない,タダだ.
Wikiによればミランダが
本作を初執筆したのが
大学2年(1999年)の時らしい.
ということは,あの停電は
恐らく1977年の
「ニューヨーク大停電」だろうか.
停電が印象的だったに違いない.

その日を暮らすのも精一杯.
隣人には悪い人がいない.
みんな優しく親切だ.
助け合って生きていく街
ワシントンハイツ.

特にダンスは,
大人数で踊る場面は迫力がある.
幕引きは,本当にこれで
ハッピーエンドではないような,
少し複雑で,
ちょっと考えさせられる作品だ.

ミュージカル作品は,
確かに日常では味わう
ことのない世界
突然のみんな立ち上がっての
ダンスや歌.
もちろん,こんな映像は
現実にはないはずだ.
そんな非日常を劇場は
伝えてくれる.

私たちは少なからず
非日常を日常の中に
取り入れる必要が
ありそうだ.

何か強いメッセージを
伝えるのは,
言葉だけではなくて,
音楽や踊りもそうなんだ.
もちろん絵画も映画も
そうなんだ.

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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