あの時代に90歳まで生きた「HOKUSAI」

HOKUSAI

オススメ度:★★★☆☆(3.4)
理由:長生きの秘訣は,
健康に気遣いをした
わけではないさそうだ.
恐らくは北斎の前向きさ.
傍若無人の振る舞いでは
なかったか.不自由ではなく,
たとえ不自由であっても
自由に生きることだ.
脳卒中になっても尚,
絵を描く意欲の凄さ,
生涯残した作品は3万点余り.
ライバルの存在,
写楽,歌麿.版元の重三郎.
多くの彼のご縁もあるかと思う.
大器晩成タイプ.
80歳過ぎでも制作意欲は衰えない.
平民だった北斎は謎だらけ.
少し上映時間が間延びして
いるように感じたが,
その生き様,
それを垣間見ることができる.

勝川春朗こと北斎.
青年時代を柳楽優弥が,
老年期を田中泯が演じる.
師匠の勝川春章から
破門された北斎が,
版元の阿部寛演じる
蔦屋重三郎に拾われて
開花していく.
江戸時代後期,町人文化に生きた北斎.
なんとその時代といえば,
人生50年と言われていた時代.
そんな時代に90まで生きた北斎.
彼は若い頃は無鉄砲で貧乏絵師
だったようだ.
同じ時代には美人画の歌麿,
そして歌舞伎役者を
デフォルメする写楽がいる.
財産の半分を没収された
版元の重三郎もいる.
彼は出る杭は打たれるのは
むしろ恵みの雨だという.
種を植えるチャンスだというのだ.
彼もまた実に前向きだ.

170年前の時代だ.
「富嶽三十六景」,
富士山.マンガのルーツとも
言われる北斎.

諸説ある謎の多い北斎.
彼はどのような生涯だったのか.
本作はフィクションでありながら
生き様を垣間見た気がする.
何でも描く北斎.
自由な発想.人々が愉しむものを
描いて何が悪い!最もだ.
60代後半で脳卒中になり
右手が不自由になってもなお,
創作意欲は衰えていない.
エピソードや逸話は多い.
北斎ブルーも70代のものらしい.
亡くなる際に
「後10年,いや5年あれば
本当の絵師になれた」と.
時代や他のせいにするのではなく,
自分にできることをする.
それを学んだ気がする.
決して動くことのない北極星.
それが北斎の信念でも
あるかもしれない.

自暴自棄時期に海を見る.
感じたままに絵を描く.
人生を諦めて
自然に身を任せると溢れる才能.
浮世絵という天才絵師.

本作HOKUSAIから学んだこと….
何歳になっても遅いことはない.
天性のものもあるかもしれないが,
殆どの人はその才はないと思う.
天才でなければ,それを補うだけの
時間をかけることだ.
凡人には,おそらく
それしかできないように思う.
常識は時代とともに変化する.
まともに常識に向き合うことだ,
常識に従順に生きることではなく,
北斎のように自分に素直に
それを我慢せずに生きることだ.

投稿者プロフィール

天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。名古屋工業大学客員准教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
詳細プロフィールはこちら。