美しくも残酷に映画化したダークファンタジー「ほんとうのピノッキオ」

ピノッキオ(1)

オススメ度:★★★★★(4.5)
理由;原作に忠実に作られた
作品らしい.
だからこそ感動も大きい,
劇場でこんな作品に
出会えて良かった.
ほぼ満席だった.

あの特殊メイク,
ピノッキオの完成度が
半端ない.涙も笑いもある
優れた作品だ.
2019年のイタリアの
ファンタジー映画.
アカデミー賞に
衣装やメイクの2部門に
ノミネートされただけに,
高く評価された作品.
ようやく見ることが出来きて
嬉しい.

イタリア語版と英語吹替版の
両方で吹替できる役者陣.
それも凄いけど,映像が
なんといっても美しく,
そして余りにリアルな
ピノッキオに感動だ.

知って入るが,奇想天外な
物語のなかにあって,
人間の弱い部分,
悪いことと知りながらも,
それをしてしまう心の闇.
少しずつ素直になっていく有様.

貧困と格差.
生きるための術.
騙される子どもたち.困難との戦い.
すべてが詰まっている.

流石にディズニーの
「ピノキオ」とは全く違う.
同じバッドエンドな作品でも
こうも違うものかと思ってしまう.

わかっていても,
ついつい誘われるままに…
してしまう罪や嘘.
どう生きていくべきか.
奥の深い作品だ.
悪そうな人の中にも
良心があったりする

この作品は
さすがアカデミー賞で
メイクアップに
ノミネートされるだけの
ことあって,
ピノッキオの特殊メイクや
風景がとにかく凄い,
買おうとしたパンフレットも
すでに売り切れでした,(残念)
時に残酷に,時に傲慢や怠惰.
全ての過程が詰まっている作品だ.

それだけに
リアルな表現が印象的で
驚嘆に値する.

これほどまでに
メッセージ性を帯びた
童話で魂が震えたものは
数少ない.

オロギのピノッキオに
対する忠告が
今の世代にも深く染み入る.

全ては,施しなどはなく,
その対価として交換される.

それが貨幣であったり,
労働であったり,
物であったりする.

何も対価なく手にしたものは
すぐに失うことなり兼ねない,
幸せとは,金銭の贅沢では解決しない.
すべては心の中にある.

本作は決して
子ども向けの作品ではない.
歴史の重みを感じ入る作品だ.
読み継がれてきた作品には
やはり重みがある.

こんなにも
純粋に昔に帰れたのも
久し振りだ.
ピノッキオに惹き込まれる.
嘘をつくたびに鼻が伸びていく
ピノッキオ.
しかし同じ嘘でも
伸びない鼻も
しっかり描かれている.

たくさんの人と
出会い色々な経験を経て
人間になることができたんだ.

生まれた時は,
間違いだらけ.我がままの
したい放題.問題児のピノッキオ.
経験で失敗を重ねることで
人は,いや人形のピノッキオは
成長する,

そんなが当たり前のことを
教えてくれる.それが新鮮に映る.

今更ではあるがなぜ,
ピノッキオが人間になりたいと
思ったのか.ようやくわかった.
そうだったんだ,人は成長する.
見た目も中身も成長する…
それに気付くシーンがいい.

妖精の女の子が女性に
成長した姿も美しい.

様々な出会いには,
時には不幸な出会いも
そして幸運な出会いも.
どちらもあって,
それが善悪ではなく,
どちらも自分を
成長する機会であるんだ.

劇場での出会いに感謝だ!

投稿者プロフィール

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天雨 徹
人財育成、技術系社員研修の専門家。東京都市大学特任教授。博士(工学)。修士(経済学)。専門は「電力システムネットワーク論」著者に「IEC 61850を適用した電力ネットワーク- スマートグリッドを支える変電所自動化システム -」がある.ブログは映画感想を中心に書いている。
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